電気シェーバーの「選び方」を解説! 三大メーカーの特徴と違い
▼目次
どのメーカーを選んでいいか分からない!!
電気シェーバーを選ぶ際に、まず沢山の種類があることに驚くと思います。各社がユーザーの使用環境や肌質などに合わせてシェーバーを複数ラインナップしており、性能や価格も様々です。
中でも三大メーカーと呼ばれるBRAUN(ブラウン)、PHILIPS(フィリップス)、パナソニックは、シェーバー市場の多くを占めるため必然的にこの3社からどれを選ぶか悩む場面が多いのではないでしょうか。
フィリップス、パナソニック、ブラウンの違いってなに?
日本の電気シェーバー市場のおよそ9割を占めるといわれる三大メーカーの、ブラウン、フィリップス、パナソニック。
パナソニックは日本のブランドで、ブラウンはドイツのブランド、フィリップスはオランダのブランドになります。
それぞれのメーカーのシェーバーごとに特徴があります。これを知っておくとシェーバー選びの際に選択肢がある程度絞れるため抑えておきましょう。
これら三大メーカーは、それぞれ以下のような特徴を持ちます。それぞれのメーカーのモデル全てに当てはまるわけではありませんが、基本的な知識として頭に入れておくと自分に合った電気シェーバーを見つけやすくなります。
BRAUN(ブラウン)の特徴
ドイツのブランド・機種は往復式シェーバー
・パワフルで深剃りが得意
・くせヒゲに強くヒゲが濃い人におすすめ
・動作音は大きい(回転式に比べ)
・自動洗浄器には業界唯一のアルコール洗浄カートリッジを採用
・目安として1年半ごとに替え刃の交換が必要
・シェーバーオイルが必要
・肌の弱い人はモデル選びに注意
PHILIPS(フィリップス)の特徴
オランダのブランド・機種は回転式シェーバー
・往復式に比べると深剃りは苦手だが、肌への負担が少ないため肌の弱い人におすすめ
・髭が濃い人は上位モデルから検討すべき
・動作音が静か
・ウェット剃り(お風呂剃り)対応機種が多い
・往復式にくらべシェービングに時間が掛かるケースが多い
・刃が長持ち(交換目安:約2年)
・自動研磨機能でシェーバーオイルが不要
Panasonic(パナソニック)の特徴
日本のメーカー ・機種は往復式シェーバー
・深剃りと肌への優しさがバランスよく両立
・ラムダッシュシリーズにはシェーバー市場で世界最速のリニアモーターが搭載。早剃り、深剃り性能に長けている
・日本人の肌やひげ剃り環境をよく考えられてつくられている
(日本の洗面所にもおけるように自動洗浄器がコンパクト、忙しい人のためにスピードシェービング...etc)
・1年~2年ごとに替え刃の交換が必要(交換目安:外刃は約1年、内刃は約2年)
・シェーバーオイルが必要
・肌の弱い人はモデル選びに注意
電気シェーバーの駆動方式(回転式と往復式)の違いについて
シェーバーの写真を見てみるとヘッドの形が異なっていることに気づくかと思います。これは刃の駆動方式が違うためです。
それぞれにメリット・デメリットがありますのでポイントを抑えておきましょう。電気シェーバーは、大きく往復式・回転式に分けられます。
往復式(BRAUN・パナソニックなど)
・深剃りが得意
・回転式に比べると肌への負担は大きい(カミソリよりは優しい)
・素早く剃れる
・モミアゲやアゴヒゲなど、剃りたくない部分との境目を認識しやすい
・駆動音が大きい
・オイル差しによる刃のメンテナンスが定期的に必要
回転式(フィリップス)
・往復式に比べ深剃りは苦手
・往復式に比べ肌に優しい
・早剃りには向かない
・ヘッドが丸いため、剃りたくない部分との境目が分かりづらい
・駆動音が静か
・自動研磨機能により刃の剃り味が落ちにくく、オイル差しも不要
日立だけが採用するロータリー方式
国内メーカーである日立の電気シェーバーは一部モデルに「ロータリー式」とよばれる駆動方式を採用しています。
なめらかな肌当たりが特徴的であり、刃の進行方向もT時カミソリと似た感覚で使用できます。刃は一定方向に回転するため、駆動音は静かで振動も手に伝わりにくいです。
マクセルイズミは往復式と回転式をラインナップ
2015年から「Vシリーズシェーバー」として本格的にブランド展開を行う、マクセルイズミも注目の国内メーカー。往復式と回転式の両方式をラインナップしています。
同社が販売するシェーバーの多くには業界トップクラスの大容量リチウムイオン電池が搭載されており、バッテリー持ちが非常に良いのも特徴のひとつです。
どのメーカーが自分に向いてるの?おすすめの選び方は?
基本的な考えとして次のように考えると良いでしょう。(注:全ての機種が当てはまるわけではありません)
1.くせヒゲが多い、髭が濃い→ブラウン(往復式)
2.肌に優しい機種が良い!→フィリップス(回転式)
3.深剃り・早剃りしたい!→パナソニック(往復式)
各社技術の進歩によって、深剃りもできて肌にやさしいハイエンドモデルなども発売されています。一般的に各メーカーの上位機種になるほど肌への優しさと深剃り性能は向上しています。特徴を捉え自分の使用環境に合ったモデルを見極めましょう。
お風呂で使える電気シェーバー
また、近年お風呂剃り対応の電気シェーバーも多く発売されています。顔にジェルやシェービングフォームを塗って剃ることが出来きるため、T字カミソリからの買い替えや併用にもおすすめです。
性能比較表を眺める時に、ウェット(お風呂)剃り対応機種をチェックしましょう。お風呂シェービング対応の電気シェーバーは「充電式」と呼ばれる電源方式が主流です。
充電式と充電交流式の違いをチェック
いざ電気シェーバーを購入しようと性能表や仕様を眺めると、充電方式に「充電交流式」と「充電式」があるのに気付くかと思います。ですが、2つの充電方式の違いを理解せずに買ってしまうと後で後悔することも。
購入する前に、2つの充電方式の違いと特性について抑えておきましょう。
充電交流式
充電交流式とは、コンセントに充電ケーブルを挿して電流を給電しながらでも使えるという意味です。
朝の忙しい時間帯にバッテリーが切れていた!なんて事態が起きても充電しながらシェービングすることができます。ドライ剃りのみが行える電気シェーバーに採用されることが多いです。
充電式
充電式は、充電交流式とは異なり充電しながら使用することはできません。 風呂場など水気の多い場所で使用することも想定してつくられているため、感電防止の観点から給電させながらの使用は不可です。ウェット剃り(お風呂剃り)対応のモデルに多く採用されています。
ただし、「充電式だからお風呂で使っていいんだ!」というわけではないので注意が必要です。充電式であっても防水モデルではないシェーバーも存在します。お風呂剃り対応モデルは必ずIPX7基準*等の防水テストをクリアしているため、購入時には確認するようにしましょう。
*(水深1メートルに30分間水に浸けても有害な影響を生じる量の水の侵入がない)検査をクリア
メーカーごとの保証期間の違い
⇒スマホや画面幅が小さい場合は横にスクロールできます。
メーカー | 保証期間 | 店舗持込 | メーカーへ送付した場合の送料 | サービスセンター |
---|---|---|---|---|
BRAUN | 1年 (Web登録で+1年) | 可 | 自己負担 (保証期間内でオンライン受付から 修理を依頼した場合はメーカー負担) | Link |
PHILIPS | 2年 (My Philips登録で+1年) | 可 | 記載なし | Link |
パナソニック | 1年 | 可 | 保証期間であればメーカー負担 | Link |
日立 | 1年 | 可 | 利用料金に含む | Link |
IZUMI | 1年 | 可 | 記載なし | Link |
※上記は2023年6月時点での情報です。
電気シェーバーの保証期間はPHILIPSが「2年」と長く、他のメーカーは「1年」です。*¹
この期間内であれば正常の使用において故障した場合、規定に則った無償修理を受けることができます。購入した際の保証書・領収書は無くさないようにしましょう。オンラインショップ、ネット通販等で購入した場合も同様です。
一部の消耗品(刃やオイル)などは初期不良以外、保証の対象外になることが殆どです。購入後はメーカー保証書や「無料修理規定(取扱説明書の末尾などに記載)」を確認しておきましょう。
また、購入店(ネットショップも含む)での独自延長保証に加入していた場合、店により保証対象が異なる場合があります。購入時に店での案内をよく確認することをおすすめします。
シェーバーを修理に出すには、購入店舗へ持ち込んだりメーカーへ送るという方法があります。保証期間内であれば送料を負担してくれるメーカーもあります。保証期間が過ぎていた場合は修理費や送料も有償での対応になります。
1. BRAUNは購入から1年以内のWEB登録で保証が1年間延長(2021年1月以降の日本国内購入品)。
2. PHILIPSは購入から90日以内のMy Philips登録で保証が1年間延長(対象製品&延長保証カード同梱製品)。
3. IZUMIのハイエンドシリーズは本体も刃も3年保証。
多様なラインナップから自分のニーズにあったモデルを考えましょう
電気シェーバーは各メーカーが豊富なラインナップを揃えています。肌の質やヒゲの濃さに合ったシェーバーを選ぶことも大事ですが、「早剃り性能」や「携帯性」、「メンテナンス性」などにも目を向けて自分のシェービング環境に最適なモデルを選びましょう。
自分のニーズを把握しておくことはモデル選びにおいて重要なポイントとなります。
人それぞれ重視する点は様々ですが、以下にいくつか例を挙げておりますので是非ともご参考ください。
《例.1》朝は忙しいので時間を掛けずに剃りたい
電気シェーバーを使うメリットとしては、その「手軽さ」。T字カミソリと違い、朝の忙しい時間にいちいちシェービングフォームやジェルを使用しなくてもサッと髭を剃ることができます。
特に、パナソニックは日本人の髭剃り環境をよく考えて作られており、髭を早く剃り終えるという性能においては他社の追随を許しません。
「髭剃りに時間はかけたくない。だけれど深剃りも妥協したくない。」という人には、高速モーター内蔵のラムダッシュシリーズ(Panasonic)がおすすめです。毎分約14,000ストロークの高速駆動で、朝のシェービングもあっという間に終えることができます。
ワンストロークで剃れる髭の量は刃の多さに比例します。3枚刃よりもよりも5枚刃や6枚刃で肌をストロークさせた時のほうが髭を剃る量は多くなります。また、肌を擦る回数も最小限で済むため、剃り終えた後のヒリツキが少なくなります。
▶Panasonic ラムダッシュPRO 5枚刃の性能比較表でさらに詳しく。
▶Panasonic ラムダッシュPRO 6枚刃の性能比較表でさらに詳しく。
《例.2》お手入れは面倒!できるだけメンテナンスは楽なほうが良い
電気シェーバーは、剃ったヒゲくずが内部のヒゲくず受けに溜まっていく仕組みです。
髭が飛び散りにくいという便利さの反面、定期的に掃除をしてあげないと臭いや雑菌の原因となってしまいます。シェーバーヘッドに雑菌が繁殖してしまうと肌トラブルの原因となるため、シェーバーを清潔な状態に保つことは重要です。
電気シェーバーはヘッド部分が洗えるものがほとんどで、水洗いで髭くずを一気に洗い流すことができます。またお風呂剃り対応のモデルであれば、シャワーなどで本体丸ごと洗うことも可能です。
▶まるごと水洗いできるラムダッシュ3枚刃シリーズをさらに詳しく。
もし、いちいち洗うのも面倒という方は「全自動洗浄器」が付属するモデルを選びましょう。メーカーによって仕様は異なりますが、洗浄・除菌・乾燥・充電など面倒なメンテナンスをワンタッチで行ってくれるため、ついメンテナンスや充電を忘れがちといった方でも安心です。
朝剃り終えたら自動洗浄器にセットしボタンを押すだけで、シェーバーを手軽に清潔な状態に保つことができます。BRAUN・PHILIPS・パナソニックはそれぞれ自動洗浄器付きのモデルを販売していますが、日立は乾燥機能だけ(洗浄は無し)な点は確認しておきましょう。
▶アルコール洗浄システム採用のブラウン シリーズ9PROをさらに詳しく。
《例.3》肌に負担を掛けない優しいシェーバーが欲しい
肌が弱い人にとって悩みなのが、シェービングのヒリヒリ感。なるべく肌への負担が少ない電気シェーバーを選びましょう。
電気シェーバーの中ではPHILIPSの回転式シェーバーが肌に優しいとされます。皮膚科医と共同開発された敏感肌向けモデルS7000シリーズや、最上位モデルのS9000プレステージなどのヘッド部にはビーズコーティングが施されており、肌との摩擦抵抗を軽減しながらシェービングが可能です。
また、S9000シリーズには加圧防止センサーが搭載されており、肌への圧力を感知し色を変化させることでユーザーにリアルタイムで適切な力加減を知らせてくれます。
▶最上位モデルPHILIPS S9000プレステージをさらに詳しく。
▶加圧防止センサーを搭載したPHILIPS S9000シリーズをさらに詳しく。
《例.4》旅行に行くので持ち運びに便利なシェーバーが欲しい
旅行や出張に行く際、カバンの中でかさばるような電気シェーバーはできれば持ち運びたくないという人も多いかと思います。しかし、ホテルに置いてあるT字カミソリは剃り心地も悪いため、できることなら自前で電気シェーバーを持って行きたいところ。
各メーカーでは携帯性の優れたコンパクトモデルも販売しています。小型故に性能自体は一般的なシェーバーよりも劣りますが、乾電池で駆動するモデルなどは緊急時の備えやキャンプなどにも最適です。
▶BRAUN モバイルシェーブ M-90の特徴を詳しく見る。
自分の「髭の濃さ」や「肌の弱さ」に合った価格帯のモデルを選ぶのが賢い選び方
一般的にシェーバーは性能が良いものほど価格も高くなります。メーカーも数千円~数万円と幅広いラインナップで販売しているため、本当に自分に必要な性能が備わっているのはどの価格帯なのか見極めるためにも、性能と自分の予算を見比べ使用環境や肌質にあったシェーバーを選ぶことが大事です。
▶《タイプ別に厳選!》電気シェーバーおすすめ人気ランキング【2022年最新版】をチェック!
例えば、自分が今使用しているものや欲しいと思ったモデルのワンランク上のモデルを選ぶことで、「更にシェービング時間が短縮」できたり、「肌へ優しく深剃りできる性能」が備わっていることを発見できる場合があります。逆に、ワンランク下のモデルでも自分には十分な機能が備わっていると気付く場合もあります。
最上位モデルには多くの機能が搭載されていますが、髭が薄い人や毎日使用しない人にはオーバースペックかもしれません。逆に、髭が濃い人や肌が弱い人が安価なシェーバーを選ぶと、買った後に後悔して買い替える、なんてことになりかねません。
購入した電気シェーバーは、これからの毎日で長い付き合いになります。価格やデザインだけで安易に選ばず、性能や特徴を知って自分に最も適したモデルを選びましょう。
シェーバー関連の用語集【順不同】
- 深剃り・・・髭を根本から剃ること。
- 逆剃り・・・髭の生える流れに逆らって剃ること。
- 順剃り・・・髭の生える流れに沿って剃ること。
- お風呂剃り・・・浴室で泡やジェルを用いて剃ること。(=ウェット剃り)
- カミソリ負け・・・刃を強く押し付けたり、何度も往復させたりと肌にダメージが加わること起きやすい症状。
- プレシェーブ・・・あらかじめ長い髭をトリミングすること。
- プレシェーブローション・・・肌の滑りを良くするシェービング剤。
- アフターシェーブローション・・・ひげ剃り後に使用する化粧品。
- シェービングフォーム・・・空気を含んだやさしい泡でしっかりと肌を保護するシェービング剤。
- シェービングジェル・・・透明性が高くヒゲや皮膚を確認しやすいゲル化剤タイプのシェービング剤。
- シェーバーオイル・・・ブラシ掃除または水洗いした後に使用する潤滑油。
- 往復式・・・刃が左右に往復し髭をカットする方式。(BRAUN・パナソニック・日立)
- 回転式・・・円形の刃が回転し髭をカットする方式。(PHILIPS)
- ロータリー式・・・筒状の刃が回転し髭をカットする方式。(日立)
- 充電式・・・充電しながらは使用できないバッテリー方式。お風呂場など水気の多い場所での使用が想定されるモデルに多く採用。
- 充電交流式・・・充電しながら使用できるバッテリー方式。
- ○枚刃シェーバー・・・電気シェーバーの場合、外刃の枚数を指す。最も多いのがパナソニックのラムダッシュ6枚刃。
- カウンターバランス機構・・・互いの内刃の駆動方向を逆にする駆動方式。(Panasonic)
- スムースローラー・・・シェーバーを動かした際に回転することで肌への摩擦を軽減する棒状のパーツ。(Panasonic)
- 泡メイキングモード・・・電気シェーバーによる洗顔フォームの泡立て機能。(Panasonic)
- 替え刃・・・シェーバーのほとんどが刃の交換が可能。1年~2年程度の定期的な交換が必要。
- IPX7基準・・・「水深1メートルに30分間浸けても有害な影響を生じる量の水の浸入がないこと」が確認できたという防水等級のこと。
- キワ剃り刃・・・シェーバーの背面などに搭載されたトリマー刃。長いヒゲやモミアゲの手入れに使用。
- 自動研磨システム・・・内刃が外刃に一定の角度を保ちながら接しており、使用する度に内刃が磨かれる仕組み。(PHILIPS)
- スマートクリック・・・ヘッドを取り外しブラシやトリマーと交換できる仕組み。(PHILIPS)
- 自動充電洗浄器・・・シェーバーの洗浄、除菌、乾燥、充電などを行うオートシステム洗浄器のこと。自動洗浄器のサイズはメーカーごとに様々。
- サスペンション・・・主にシェーバーヘッドの浮き沈みを指す。
- まるごと水洗い・・・その名の通りシェーバー本体ごと水洗いができる仕様。