【使用レビュー】Qiワイヤレス充電に対応したPHILIPSの回転式シェーバー S9000プレステージ
2018/10/30
11年連続で世界シェアNo.1*を獲得しているPHILIPSから2018年9月、新型モデル「S9000プレステージ」が発売されました。
S9000プレステージはPHILIPSシェーバーのラインナップで最上位機種の位置付け。従来のハイエンドモデル9000シリーズの登場が2014年だったため、約4年ぶりのフルモデルチェンジとなります。
「PHILIPS史上最高水準の深剃り」、さらに「変わらない肌へのやさしさ」を実現したという最新型シェーバーS9000プレステージ。
他社に先駆けて市場に送り出したワイヤレス充電パッドの採用も目を惹きますが、やはりシェーバー本来の役割である深剃り性能も気になりますよね。
結論から言ってしまうと、どちらも私の期待を大きく上回るものでした。一体、どれほどの進化を遂げたのか従来モデルと比較もしながらレビューをお届けしたいと思います。
*ユーロモニターインターナショナル調べ : 2006-2017年小売数量ベース : 同社のボディーシェーバー製品カテゴリー定義に拠る
PHILIPS S9000プレステージ 開封の義
箱を取り出すとすぐに、このシェーバーは特別なものと感じざる得ないプレミアム感たっぷりのパッケージ。購入してくれたユーザーに対してのサンキューメッセージは案外嬉しいものです。
箱を開けてシェーバーとご対面!と思いきや、大きなシェービングケースが格納されていました。
蓋の裏側には、「小さい円を描くように動かす」、「シェービングヘッドを開けて水洗い」、「刃の交換方法」などちょっとしたアドバイスが書かれています。
パッケージ内容、付属品
さてさて、ケースを開けてみると中には以下のものが収納されていました。(パッケージ型番:SP9861/13)
- シェーバー本体
- 細部用トリマー
- ワイヤレス充電パッド
- USB電源アダプタ
その他には、取扱説明書と製品登録用のリーフレットが同梱。
取扱説明書の裏側が保証書になっているため、レシートと一緒に大事に保管しておきましょう。
本体、USB電源アダプタ、ワイヤレス充電パッドは購入日から2年間の保証を受けることが出来ます。(シェービングユニットやトリマーなどの消耗品は対象外です)
アイテムを全て収納できるプレミアムポーチ
付属するプレミアムポーチは成人男性が使う弁当箱ほどの大きさがあります。いままでのPHILIPSシェーバーは充電器まで収納できるケースが存在しなかったため、ごちゃごちゃとしたアクセサリー類を全て収納できるのが嬉しい。
ポーチはかなり頑丈な作りで内側のクッション性も高いのですが、出張などの際にビジネスバックで持ち運ぶにはちょっと大きすぎるかもしれません。
※プレミアムポーチの寸法は、約25 x 16 x 10cmほど。(メジャーによる実寸の為、おおよその目安にしてください)
ちなみにPHILIPS 9000シリーズや7000シリーズなどに付属していた従来の黒いケース。これにS9000プレステージを収納することも可能でした。(サイズ的にギリギリだったのでジッパーは若干キツめです)
持ち運びを考えるとやはり従来サイズのほうが適していますね。別売りでも良いのでシェーバー本体専用のハードケースがあれば便利なのですが・・・。
S9000プレステージはフル充電で約60分間の使用可能なバッテリーを搭載しているため、短期間の出張や旅行では充電パッドが不要な場合もありますし、是非とも本体用ケースを販売してほしいです。
PHILIPS「S9000プレステージ」の様々な機能や特徴
S9000プレステージの本体外観を見てみましょう。まず、目を惹くのがシルバーとブラックを基調にした近未来的なカラーリング。無駄な要素を削ぎ落としたシンプルなデザインはもはや非難の余地がない「造形美」を感じてしまいます。
金属製のボディは実際に持ってみるとしっかりとした重量感があります。(S9000プレステージの重さは186g。9000シリーズが169gだったので実は17gほど重くなっています。ですが、ほとんど気にならないレベル)
S9000プレステージはワイヤレスでバッテリーチャージを行うため充電端子は無く、後ろ姿も非常にスマートです。(シェーバーの底にある溝は内部の水を抜くためのものです)
線やカタチが手に馴染みやすい人間工学に基づいたボディはグリップ感も抜群。背面はラバーで覆われており、シェービングフォームやジェルを使用するウェット剃りの際も滑りにくいため安心です。
シェーバーの回転数が選べる「パーソナルコンフォート設定」
電源ボタンの下にある横長のスイッチはシェーバーの回転数を調節する「パーソナルコンフォート設定」。
右側(+)を押せば回転数が上がり、左側(-)を押せば回転数が下がります。(センシティブ・ノーマル・ハイスピードの3段階切り替えが可能です)
個人的には回転数を下げたセンシティブモードでじっくり動かすのが最も剃りやすく感じました。(筆者は非常に敏感肌です)
もちろん、時間が無いときには回転数を上げて一気に剃り上げることができるため、臨機応変に使い分けできます。
不意の電源オンを防ぐ「ロック機能」
お子様がいるご家庭ではなにかと安心なロック機能。電源ボタンを約3秒長押すればカギマークが表示、さらに電源ボタンを押し続けるとカギマークが点滅しロックがかかります。
ロック解除を行う場合は再度電源ボタンを約3秒長押しを行います。
フィリップス史上最高の深剃りを謳う「ナノプレシジョン刃」
電気シェーバーを選ぶ際、ユーザーが最も重要視すべき点はやはり剃り心地。
S9000プレステージには「ナノプレシジョン刃」と呼ばれるナノ粒子加工によるシャープな内刃と、確実にヒゲをとらえる外刃を搭載しています。
旧最上位モデルである9000シリーズの刃と比較してみると、S9000プレステージの刃は「くの字型スリット(外周)」の面積が大きくなりました。また、内周は往復式シェーバーの編刃のようなホールが特徴的。
9000シリーズでは内周スリッドが広いため長いヒゲをキャッチしやすかったのですが、日常的にヒゲを剃る日本人にとっては短いヒゲをキャッチしやすいホール形状が最適かもしれません。
写真は内刃をマイクロスコープで撮影したものです。S9000プレステージのナノプレシジョン刃は断面全体に細かな粒子加工が施されているのが分かります。(よく見ると9000シリーズの内刃も両端のみ粒子加工がされているようですね)
従来機種の特徴でもあった2重の内刃(スーパーリフト&カット機構)が無くなり「剃り心地に影響するのではないか?」と懸念していたのですが、むしろナノ粒子技術による強固な加工により1枚あたりの刃の性能は上がっている印象を受けました。(メーカー側でも最高水準の深剃り性能と謳っています)
男性のヒゲの硬さは、同じ太さの銅線並みとも言われており、カット時の抵抗がどれだけ少ないかが仕上がりに影響します。
その点からしても、S9000プレステージに搭載されるナノプレシジョン刃は従来刃に比べ切断時の抵抗も少ないため、よりスムーズにシェービングすることができます。
どのモデルも3つのヘッドで見た目が酷似していますが、搭載される刃やヘッドの可動域などが異なります。
▶PHILIPSシェーバー 9000シリーズ、7000シリーズ、5000シリーズの違いを比較
個人的に所持しているPHILIPSシェーバー9000・7000・5000シリーズと比較しても、深剃り具合はS9000プレステージの優秀さが際立ちました。あくまでも個人的な使用感になりますが、おおよその違いは以下の通り。(※髭の濃さや肌質によって感じ方に差はあります)
【深剃りしやすさ】
S9000プレステージ>9000シリーズ≒7000シリーズ>5000シリーズ
【肌への優しさ】
S9000プレステージ≒7000シリーズ>9000シリーズ>5000シリーズ
自動でパワーを調節する「ヒゲ密度感知システム」
S9000プレステージ独自の「ヒゲ密度感知システム」は従来モデルには無かった機能。髭の濃い場所でも一定のパワーで駆動し、ヒゲの薄いところではパワーを下げて余計な負担を抑えます。
長いヒゲやモミアゲは付属アタッチメントで対応
従来モデルと同様に、スマートクリックにも対応。付属品のトリマーアタッチメントに付け替えれば、長く伸びたヒゲやモミアゲを剃ることができます。
付属トリマーの他、洗顔ブラシやヒゲスタイラーを取り付けることも可能です。(ヒゲスタイラーや洗顔ブラシは別売りされているため、必要に応じて買い足すことができます)
※シェービングユニットの形状は9000、7000、5000シリーズ等と共通。旧スマートクリック対応モデルの付属アタッチメントも流用することができます。
▶PHILIPSシェーバー | スマートクリック用アタッチメントの一覧
肌との摩擦を軽減する「スキンコンフォートリングプラス」が顔の輪郭にしっかり密着
それぞれの刃が独立して可動するヘッドは肌への密着性が高く、喉仏や顎下など凹凸の激しい場所でも剃り残しを防いでくれます。肌の曲面にも自然と馴染んでくれるため、ストローク中に無理な力で押し付ける必要がありません。
防水シェーバーだから簡単丸洗いOK
S9000プレステージはIPX7基準*をクリアした防水性能を持つため、本体の丸洗いが可能です。
臭いの元になりやすい皮脂や汗などはぬるま湯(40℃前後)で洗い流すと効果的。より徹底的に洗浄したい場合は、各パーツを分解することが出来ます。
従来モデルでは少々劣化しやすかった保持板は、金属のプレートが差し込まれてた頑丈な作りに。
ただ、カチッとはめ込む突起部分は従来どおりプラスティックなため、耐久性については半年~1年ほど経ってから再度レビューしたいところ。保持板だけ手軽に購入できるとユーザーは安心なのですが、いまのところメーカー取り寄せのみとのことです。
ちなみに、替刃交換の目安は約2年に1回。
交換用の替刃型番は「SH98/71(メタリックグレー)」もしくは「SH98/81(シルバー)」となります。(シェービングヘッドごとの販売ですので、こちらのパッケージに保持板は含まれています)
*水深1メートルに30分間水に浸けても有害な影響を生じる量の水の浸入がないこと
「Qi規格ワイヤレス充電パッド」で置くだけ充電が可能
置くだけで充電できる、たったそれだけのことなんですが慣れてしまうと本当に手軽です。
S9000プレステージ独自の機能として採用されたワイヤレス充電。いままで市場にQi規格対応の電気シェーバーが無かったこともあり、そのガジェット感が注目を集めました。
私自身、スマートフォンで初めてQiワイヤレス充電を体験した時は「あぁ、もういちいちケーブルを差して充電するのには戻れないな」なんて感動した記憶がありますが、まさか電気シェーバーで再度その体験をするとは思いもしませんでした。
フル充電までは約3時間。本体のディスプレイにバッテリー残量がパーセンテージで可視化されるのも分かりやすくて良いですね。
充電残量が少なくなるとバッテリーマークがオレンジ色に点滅し、ビープ音で知らせてくれます。
付属するワイヤレス充電パッドの規格は「Qi1.2」。iPhoneやXperia、GalaxyなどQi1.2に対応しているスマートフォンであれば、勿論これで充電できます。
ただ、この充電パッドのサイズがなかなか大きく、日本の洗面所事情に適しているとは言い難いかもしれません。実際、我が家ではデスクの上に置くことにしました。そのほうが充電パッドに水がかかったりする心配もないので安心です。
※ワイヤレス充電パッドの寸法は、約18 x 9.5 x 1.4cmほど。(コード含まず。メジャーによる実寸の為、おおよその目安にしてください)
SP9860/14・SP9863/16・SP9861/13の違いは?
モデル名 | S9000 プレステージ SP9860/14 | S9000 プレステージ SP9863/16 【Amazon限定モデル】 | S9000 プレステージ SP9861/13 |
カラー | メタリックグレー/ブラック | グロスシルバー/ブラック | マットシルバー/ブラック |
ヒゲスタイラー | ○ | ○ | - (トリマーが付属) |
洗顔ブラシ | ○ | - | - |
取扱店舗 | 楽天市場 | Amazon | Amazon 楽天市場 |
S9000プレステージはカラーリング・付属品違いで3つの型番が販売されていますが、それぞれ性能・特徴の差はありません。
- SP9863/16にはヒゲスタイラー、SP9860/14にはヒゲスタイラーと洗顔ブラシが付属。
(これらは付属のプレミアムポーチに全て収納可能) - 細かい点として、シェービングユニット・充電パッドのカラーリングが若干異なます。
(SP9860/14はグレーのヘッド・充電パッド、SP9863/16とSP9861/13はシルバーのヘッド・充電パッド)
それぞれのカラーで交換用シェービングヘッドの販売が予定されています。別売りアタッチメントのヒゲスタイラー、洗顔ブラシは発売中です。
■交換用シェービングヘッド■ヘッドチェンジ対応アタッチメント
【関連リンク】
・株式会社フィリップス・ジャパン
・プレスリリース(2018年9月25日)
毎年、各メーカーの最新モデルを複数購入しているシェーバーマニア。「深剃り向き」「敏感肌向き」「携帯向き」のおすすめのシェーバー、さらには「敢えておすすめしないモデル」まで解説します。最近のレビュー記事等はこちら。シェーバー選びの際は是非ご参考ください。