PHILIPS「S9000プレステージ」と「9000/7000/5000シリーズ」の替刃・パーツ互換性を検証
2018/11/02
▼目次
2018年9月にPHILIPSから最上位モデルS9000プレステージが発売され、約二ヶ月が過ぎました。
充電方式がQiワイヤレス充電に変わるなどガジェット感が注目を集めたモデルでしたが、その搭載刃であるナノプレシジョンもまた深剃り性能の向上が見られます。
コアなPHILIPSユーザーなら当然、気になるのが刃の互換性。まだまだ従来モデルが現役の方や、新しい刃の剃り味を試してみたい・・・なんて思われている方もいるのではないでしょうか?
発売から間もないS9000プレステージ用の替刃「SH98/71(グレー)」または「SH98/81(シルバー)」が従来モデルに装着できるかどうか、まだまだ互換性についての情報は少ない状況です。
今回は取り急ぎ、手持ちの機種でナノプレシジョン刃と従来モデルの互換性を検証してみました。多少なりともPHILIPSユーザーの助けになれば幸いです。
※「9000/7000/5000シリーズの互換性」については、以下の関連記事をご参考下さい。
【ご注意】
今回、ご紹介する行為は「正しい使用方法」ではなく無料修理規定の範囲外となります。また、想定外の故障や怪我等に関しての責任を負いかねますので、あくまでも自己責任にて行って頂くようお願い致します。
交換用シェービングユニットを購入する際の注意点
PHILIPSのカタログを見てみると、シェービングユニットという名称の交換用パーツは「SH98/71」、「SH98/81」、「RQ12/61」の3型番が販売されています。
ですが、S9000プレステージ用の型番とセンソタッチ3D・9000シリーズ用の型番では受け部(差し込む側)のユニットが付属するかどうかの違いがあります。
パッケージ写真ではヘッドがまるごと入っていると勘違いしそうですので、購入する際は注意しましょう。
S9000プレステージ用の交換用シェービングヘッド「SH98/71」、「SH98/81」
PHILIPS S9000プレステージ用の替刃型番「SH98/71(グレー)」、「SH98/81(シルバー)」には本体側に差し込む側のパーツは含まれていません。
▼SH98/71とSH98/81には、下記の部品と替刃が入っています。(黄色丸で囲った部分)
- ナノプレシジョン刃(内刃・外刃 各3個セット)
- 保持板(3個1セット)
- シェービングヘッド(フレーム)
9000シリーズ用の交換用シェービングユニット「RQ12/61」
PHILIPSシェーバーの旧モデルであるアーキテックやセンソタッチ3D、また現行モデル9000シリーズ用に販売されている交換用シェービングユニット「RQ12/61」には本体側に差し込む側のパーツ(受け部)も含まれています。
RQ12/61には、下記の部品と替刃が入っています。(青丸で囲った部分)
- ダブルVトラック刃(内刃・外刃 各3個セット)
- 保持板(3個1セット)
- シェービングユニット(ヘッドフレーム・受け部)
「スマートクリック対応シェーバー」はシェービングユニット差込口が同じ
新モデルであるS9000プレステージもスマートクリック用アタッチメントに対応しており、5000・7000・9000シリーズなどとシェービングユニットの差し込み口形状が同一です。
※PHILIPSシェーバーはスマートクリックと呼ばれる首の付け替えにより、洗顔ブラシやヒゲトリマーを取り付けることができます。
▶スマートクリック用アタッチメントの一覧・対応モデル
凹凸構造が共通であるため、シリーズが異なるヘッドも装着することができます。
RQ12/61(=9000シリーズのシェービングユニット)はヘッドパーツがまるごとパッケージに入っているため、スマートクリック用アタッチメントに対応したPHILIPSシェーバーであればポン付けが可能です。
※2018年11月確認時点で5000・7000シリーズのシェービングユニットは販売されていません。
「SH98/71」または「SH98/81」が手持ちのシェーバーに装着可能か確認すべきポイント
今回、新たに登場したS9000プレステージ用の「SH98/71」と「SH98/81」(ナノプレシジョン刃)は、前述の通りヘッド側パーツのみであるため、RQ12/61のように手持ちのシェーバー本体にポン付けというわけにはいきません。
ナノプレシジョン刃を使用するには、「SH98/71」または「SH98/81」のヘッドフレームが手持ちのシェーバーユニット(受け部)に装着できるかどうかがポイントとなります。
また、ヘッドフレームの形状が合わない場合でも従来モデルのフレーム・保持板を用いて刃のみ装着可能なケースもあります。
「ヘッドフレーム、保持板、刃」の互換性を検証(9000・7000・5000シリーズとS9000プレステージ)
今回は、9000・7000・5000シリーズとS9000プレステージを用いて、それぞれの「ヘッドフレーム、保持板、刃の互換性」を検証してみました。
また、S9000プレステージユーザー向けに「他シリーズの刃が装着できるのか」も記載しております。
ちなみに、シェーバーとして問題なく使用できた状態を「互換性あり」と表記していますが、これはメーカーによる正規の互換性では無いことを予めご了承ください。
【検証に使用したモデル型番】
筆者が所持している3ラインナップのモデル型番は以下の通り。今回はこれら3つのモデルを使い互換性を検証しています。
▶5000シリーズ 「S5390/26」、7000シリーズ 「S7311/12」、9000シリーズ 「S9522/26」、S9000プレステージ 「SP9861/13」
※あくまで筆者所持モデルでの互換性検証のため、他型番では互換性が無い・正常に駆動しないケースも考えられます。また、仕様等は変更になる場合がありますのであらかじめご了承下さい。
S9000プレステージと9000シリーズの互換性
S9000プレステージと9000シリーズの場合、シェービングユニットのヘッド・受け部のどちらも形状が同一です。
つまり、S9000プレステージ用の「SH98/71」または「SH98/81」を、9000シリーズの受け部にそのまま嵌めることができます。(その逆も可能です)
9000シリーズに「SH98/81」を取り付けてみた様子。パッケージから出してヘッドにポンっと付け替えるだけなので交換の手間もかかりません。
S9000プレステージに「SH90/51」の装着
S9000プレステージのシェービングヘッドフレームに、9000シリーズのダブルVトラック刃(SH90/51)も搭載可能でした。保持板は互換性がないためS9000プレステージ用の保持板(ブルー)を使用します。
S9000プレステージにダブルVトラック刃(SH90/51)を装着した様子。特に外刃が空回りすることもなく正常に駆動します。
SH90/51は刃だけのパッケージでありSH98/71やSH98/81の約半分の価格で購入できます。「ヘッドフレームはいらないから刃だけ交換したい・・・」なんてときは選択肢の一つになるのではないでしょうか?
SH90/51 |
9000シリーズのシェービングヘッド(RQ12/61)にナノプレシジョン刃の装着
ナノプレシジョン刃は「刃だけ」の販売はないため意味の薄い検証かもしれませんが、ナノプレシジョン刃を9000シリーズのシェービングヘッドに嵌めることも可能でした。
この際も、刃を固定するオレンジ色の保持板とブルーの保持板に互換性は無し。オレンジ色のものを使用します。
買い替えた際に9000のシェービングヘッドパーツがまだまだ使用できるのであれば、S9000プレステージのヘッドフレームを予備にしておくのもアリかもしれませんね。
ただ、SH98/71、SH98/81のヘッドフレームは肌当たりも優しい印象でしたので、交互に入れ替えて使ってみて好みのほうを優先的に使うのがベストかと思います。
■S9000プレステージと9000シリーズの互換性まとめ
S9000プレステージ (SH98/71、SH98/81) | 9000シリーズ (RQ12/61) | 互換性 |
シェービングヘッド | シェービングヘッド | 相互に互換性あり |
刃 | 刃 (SH90/51) | 相互に互換性あり |
保持板 | 保持板 | 互換性なし |
S9000プレステージと7000シリーズの互換性
S9000プレステージと7000シリーズ、こちらもシェービングユニットのヘッド・受け部は同一かと思いきや・・・どうやら微妙に形状が異なるようです。
このように、7000シリーズの受け部にS9000プレステージのヘッドパーツを組み合わせることは可能でした。ただ、写真では分かりづらいのですが若干、ヘッドの浮きが気になります。(下の画像参照)
カチッと爪で固定されているのでシェービング中に外れるレベルでは無いのですが、爪がない箇所はピタッと密着しておらず、指で押し上げると隙間ができてしまいます。
実際この組み合わせでシェービングしてみたところ、フレームが外れたりヒゲくずがこぼれることは無かったのですが「ピッタリ嵌っていないと気になる!」なんて方は避けたほうが良いかもしれません。
7000シリーズのヘッドパーツにナノプレシジョン刃のみであれば問題なく装着可能です。(余ったフレームや保持板は無駄になってしまいますが・・・)
7000シリーズのシェービングユニットのまま、ナノプレシジョン刃に交換するとこんな感じです。
ちなみにこの組み合わせは、7000シリーズのフレーム(スキンコンフォートリング)のおかげか、S9000プレステージに近い使用感でした。
刃だけの販売があれば強くオススメしたいところなんですが、SH98/71またはSH98/81から刃だけを移植するのはコスパが悪すぎますね・・・。
S9000プレステージに7000シリーズのシェービングヘッドの装着
S9000プレステージに7000シリーズのシェービングヘッドは装着不可でした。ツメがしっかり嵌まらずユルユルです。
※買い替えの際などで7000シリーズのヘッドをS9000プレステージで使いたいのであれば、差込口が共通であるシェービングユニット(受け部)ごと取り付ければ問題ありません。
S9000プレステージに「SH70/51」の装着
S9000プレステージのシェービングヘッドにSH70/51(刃×3セットで購入可能な7000シリーズの刃)は装着可能でした。
ジェントルプレシジョン刃(SH70/51)を搭載したS9000プレステージ。外刃が空回りしたりすることもなく問題なく駆動します。
ちなみにSH90/51とSH70/51の形状は同一ですので、どちらを購入してもS9000プレステージのシェービングヘッドに装着可能です。
SH90/51 | SH70/51 |
関連記事PHILIPSシェーバー「9000シリーズ」と「7000シリーズ」に搭載される刃の違いを検証してみると・・・?
■S9000プレステージと7000シリーズの互換性まとめ
S9000プレステージ (SH98/71、SH98/81) | 7000シリーズ | 互換性 |
シェービングヘッド | シェービングヘッド | 互換性なし*1 |
刃 | 刃 (SH70/51) | 相互に互換性あり*2 |
保持板 | 保持板 | 互換性なし |
*1 7000シリーズの受け部にS9000プレステージのヘッドパーツは装着可能だが、若干ゆるい。
*2 後発品のSH70/61(ジェントルプレシジョンプロ刃)は所持しておらず未検証です。もし、情報提供いただける場合はメールフォームからご連絡いただけると幸いです。
S9000プレステージと5000シリーズの互換性
S9000プレステージと5000シリーズの場合、シェービングユニットの形状が異なるためヘッドの互換性は無し。(S9000プレステージが3箇所のツメで固定するのに対し、5000シリーズはヘッドと受け部の金具、1箇所のツメで固定されています)
そのため、「SH98/71」または「SH98/81」を購入して、そのまま5000シリーズに取り付けることが不可能です。
一応、「刃だけ」ならば5000シリーズのヘッドに装着可能でした。
7000シリーズと同様にヘッドフレームや保持板に互換性は無く、5000シリーズユーザーには使い道が無いパーツとなってしまいます。
実際に5000シリーズにナノプレシジョン刃を搭載するとこんな感じ。外刃の空回りもなく正常に駆動します。
ちなみに5000シリーズのシェービングユニットには、「刃だけ」で販売されているダブルVトラック刃(SH90/51)、ジェントルプレシジョン刃(SH70/51)も適合するため、上位刃を検討するなら無駄なパーツが余るナノプレシジョン刃よりそちらをお勧めします。
関連記事5000シリーズのシェービングユニットには9000/7000/5000の刃が装着可能
※5000シリーズの搭載刃であるマルチプレシジョン刃(SH50/51)も刃だけで販売されています。
SH50/51 |
■S9000プレステージと5000シリーズの互換性まとめ
S9000プレステージ (SH98/71、SH98/81) | 5000シリーズ | 互換性 |
シェービングヘッド | シェービングヘッド | 互換性なし |
刃 | 刃 (SH50/51) | 互換性なし* |
保持板 | 保持板 | 互換性なし |
*5000シリーズにS9000シリーズの刃は装着可能。S9000プレステージにマルチプレシジョン刃(SH50/51)は、フレームとの形状が合わず搭載不可。
「S9000プレステージ」と「9000・7000・5000シリーズ」における互換性まとめ
「S9000プレステージ」と「9000・7000・5000シリーズ」における、刃・パーツなどの互換性まとめです。
※「9000/7000/5000シリーズにおける搭載刃の違い」については、以下の関連記事をご参考下さい。
※ちなみにS9000プレステージには充電端子が無いため、スマートクリーンシステム(自動充電洗浄器)や従来の充電アダプターを使用することはできません。
S9000プレステージと各シリーズのパーツ互換性
シリーズ名/パーツ | S9000プレステージ「SH98/71」、「SH98/81」 | ||
シェービングヘッド | 刃 | 保持板 | |
9000シリーズ(RQ12/61) | ◯互換性あり | ◯互換性あり | ×互換性なし |
7000シリーズ | △互換性なし*1 | ◯互換性あり*2 | ×互換性なし |
5000シリーズ | ×互換性なし | △互換性なし*3 | ×互換性なし |
*1 7000シリーズの受け部にS9000プレステージのヘッドパーツは装着可能だが、若干ゆるい。
*2 SH70/1(ジェントルプレシジョン刃)での検証
*3 5000シリーズにS9000シリーズの刃は装着可能
S9000プレステージへの刃の装着可否
シリーズ名/(替刃型番) | S9000プレステージのシェービングヘッド (SH98/71、SH98/81) |
9000シリーズの刃 (SH90/51) | ◯装着可能 |
7000シリーズの刃 (SH70/51) | ◯装着可能 |
5000シリーズの刃 (SH50/51) | ×装着不可 |
シェービングユニット(RQ12/61)の装着可否
シリーズ名/(ユニット) | 9000シリーズのシェービングユニット (RQ12/61) |
S9000プレステージ | ◯装着可能 |
9000シリーズ (RQ12/61) | 同一品 |
7000シリーズ | ◯装着可能 |
5000シリーズ | ◯装着可能 |
毎年、各メーカーの最新モデルを複数購入しているシェーバーマニア。「深剃り向き」「敏感肌向き」「携帯向き」のおすすめのシェーバー、さらには「敢えておすすめしないモデル」まで解説します。最近のレビュー記事等はこちら。シェーバー選びの際は是非ご参考ください。