リチウムイオン電池搭載シェーバーの満充電防止には「デジタルタイマー」の活用がおすすめ
2017/02/04
▼目次
近年、電気シェーバーの多くには高い出力密度を持つリチウムイオンバッテリー(Li-Ion)が搭載されており、ニッカド電池やニッケル水素電池といった従来のバッテリーに比べ耐用年数も長くなりました。
従来バッテリーの弱点であった継ぎ足し充電によるメモリー効果もなく、かつ軽量化もされており、いまでは多くの電化製品にリチウムイオンバッテリーが採用されています。
フル充電状態からの使用はバッテリーの劣化を早めてしまう!?
満充電状態はバッテリーの劣化を進めてしまう・・・なんてことを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
リチウムイオンバッテリーの特性として、フル充電された状態での保存はバッテリーに負荷がかかり劣化が進んでしまいます。
さらにもう一点、バッテリーが満充電状態からの使用も負荷が大きいとされています。
上のグラフ図(市村 雅弘. "小形リチウムイオン電池の寿命特性." (2005): 19-23)から、リチウムイオン電池は100%~50%の状態で使用する場合のほうが、0%~50%で使用する場合よりも早く寿命ラインに達していることがわかります。
つまり、毎回電気シェーバーを100%充電してから使用した場合、50%の充電で止める使い方をしたシェーバーに比べ劣化の進行が早い、ということが図からも読み取れます。
リチウムイオンバッテリーの特性、長持ちさせるコツについて詳しくはこちらのエントリーも参考になさって下さい。
満充電になる前にコンセントを切るのは面倒!
ですが、毎朝使用する電気シェーバーを充電する度にいちいち時間を計り、50%の充電でコンセントを抜くなんて面倒ですよね・・・。
節電タップを使えばコンセントを抜くこと無く充電を止めることができますが、これも切るのを忘れがちでついつい満充電されてしまいます。
より確実にリチウムイオンバッテリーの寿命を最大限に伸ばすのであれば、自動オフ機能のあるデジタルタイマーを使いましょう。
*メーカー側では充電途中でプラグを抜いたりする行為は推奨していないため自己責任にて行って頂くようお願いいたします。特に、自動充電洗浄器などは途中で電源を切ってしまうと洗浄システムがエラーを起こす場合もあるためお薦めしません。
自動で電源を落とせる「デジタルタイマー」を活用しよう
デジタルタイマーとは「設定した時間が経つと、電源がONまたはOFFになる」という便利な代物。
曜日ごとのON/OFF設定があるものや、ダイヤル式、コード付きなど様々なタイプが売られており、電化製品の消し忘れや節電などに活用されています。
1時間程度でフル充電される急速充電タイプの電気シェーバーの場合、1分単位で設定可能なものを選ぶのが良いでしょう。
今回用意したのはREVEX(リーベックス)社の『1回だけ「入・切」デジタルタイマー CT24D』。
この製品は時間を設定しOFFモードにした後、スタートを押せば設定した時間が経つと自動的に電源を落としてくれます。
また、メモリー機能があるため一度設定してしまえば再設定することなくワンタッチで繰り返すことが可能。最大24時間、最小で1分のタイマー設定が可能です。
背面コンセントはショートを防ぐトラッキング防止プラグ。配置は画像の通りで、正面に向かって右側に充電する機器のコンセント差込口があります。
本体の大きさはコンセント突起を除き、65(幅)×68(高さ)×32(奥行き)。
洗面所だと隣のコンセントに干渉したりする可能性が高いためサイズを確認しておきましょう。我が家ではドライヤーコンセントの妨げになったため、延長ケーブルを使い干渉を避けています。
いつでも50%の充電状態を維持するからバッテリーに優しい
1時間でフル充電ができる電気シェーバーの場合、約2~30分でOFFになる設定を行えばおおよそ50%付近で充電で止めることができるかと思います。
ただし、リチウムイオン電池は複合的な充電プロセスを持つため充電スピードは一定ではありません。手持ちのシェーバーで何分くらいで50%位付近まで充電されるか実際に確認しておきましょう。
満充電を避けることで失うメリットも確認しておきましょう
このように50%付近で充電を止めることでリチウムイオンバッテリーへの負荷を減らすことが出来ますが、一方で充電の手軽さや利便性をいくつか失うことになります。
例えば、フル充電で40分ほど駆動できるシェーバーならば、おのずと駆動時間も20分と半減。こまめな充電が必要になるというデメリットが生じます。1回のシェービングに10分かかる人であれば、2日に1回は充電しなければいけません。
ちなみにこの際の継ぎ足し充電に関しては、バッテリー劣化の要因とはなりません。充電サイクルはトータルで100%に到達した時点で1回と計測されるためです。
また、置くだけで充電できるタイプのシェーバーであれば、デジタルタイマーのスイッチを押す手間が増えるデメリットが生じます。
バッテリーの健康状態を究極的に維持するか、それとも充電の手軽さを取るかは個人の持つ時間の余裕によって異なるかと思いますが、バッテリー劣化にあまり神経質になりすぎては元も子もありません。
ですが、リチウムイオンバッテリーの特性を少し知っておくだけでお気に入りのシェーバーのバッテリー健康状態を良好に保つことが可能になります。また、スマートフォンやノートPCなど、他の製品を使用する際にも役立つ知識となるでしょう。
「満充電での放置を避ける、高温になる場所には置かない」といったことは最低限守り、さらにバッテリーの健康状態に気を使いたい、多少手間が増えても構わない、という方はデジタルタイマーを使用してみることをおすすめします。
毎年、各メーカーの最新モデルを複数購入しているシェーバーマニア。「深剃り向き」「敏感肌向き」「携帯向き」のおすすめのシェーバー、さらには「敢えておすすめしないモデル」まで解説します。最近のレビュー記事等はこちら。シェーバー選びの際は是非ご参考ください。