BRAUNシリーズ3「3020s-B」の製品レビュー|シリーズ5との違いを比較
2015/08/11
▼目次
「ブラウン シリーズ 3」のリニューアルモデル 3020s-Bを購入しました
2015年8月に発売された「ブラウン シリーズ 3」のリニューアルモデルである3020s-Bを購入しました。
新シリーズ3は「3090cc」「3050cc-G」「3040s」「3030s」「3020s-B」という5つのモデルがありますが、基本的なシェービング性能は5つとも変わりません。
ただし、充電表示ランプの数と自動洗浄器の付属の有無が異なります。また、3040sだけはお風呂剃り対応モデルです。今回購入したのは最も安い3020s-Bです。
BRAUNシェーバー シリーズ3の性能比較表 (3090cc/3080s/3050cc-G/3040s/3030s/3020s-B)3020s-Bの付属品は以下のとおり、必要最低限のものだけです。
・掃除用ブラシ
・充電コード
・保護キャップ
・取扱説明書
保護キャップはボタンまで覆う形になっており、カバンなどでの誤作動防止になります。
ポーチなど持ち運び用の入れ物やオイルは付属しません。特にシェーバーオイルは刃の潤滑化のために必要不可欠ですので、買い足す必要があります。
シェーバークリーナー(オイル)は必需品!
私は700円程度で買えるブラウンのシェーバークリーナーを使っています。スプレータイプで使い勝手がよく、オイル成分を含むので剃り味も快適に維持してくれます。また、ベタつきなどが無いのも購入し続ける理由の一つです。使用方法も、刃のカセットを水洗い後に吹付けるだけなので簡単です。
オイルは刃の摩耗を防ぎ、劣化を抑える役割があり刃の寿命もぐんっと伸びるため必ず持っておくべきアイテムです。
ブラウンシリーズ3の刃の寿命は約18ヶ月ですが、オイルを使用せずに刃に負担を掛け続ければ寿命はもっと縮まります。ちなみに新シリーズ3の替刃(F/C32B-6)は6000円程とお高いです。
新たに搭載された3連サスペンション機能
新シリーズ3から搭載された、3つの刃が独自に浮き沈みする3連サスペンションヘッド。あごのラインなどに沿って密着する役割があります。
ですがヘッドに首振り機能は無いため、ある程度は手首をうまく使いながら肌へ直角に当ててやる必要があります。中央の白いコームで囲まれた刃はくせヒゲトリマーと呼ばれるもので、寝たヒゲやくせのあるヒゲを効率よく剃ることができます。
ちなみにこの3連サスペンションの動きはシリーズ3の最上位機種である3090ccのみ固定(ロック)することができます。網刃を引っ込めた状態のまま剃れるのでアゴや鼻下などを剃る際にはロック機能があると便利かもしれません。
新マイクロコームテクノロジー(白いクシ状の部分)
中央の白い部分がマイクロコームと名付けられた新機能です。白い部分がクシの役割を持っていて、様々な方向を向いたヒゲを効率よく刃の方向へ取り込むのでシェービングがスムーズに行えます。休日などに長めに伸ばしてしまったヒゲなども、このコームがあることでキャッチしやすくなっています。
背面に搭載されたトリマーはモミアゲなどを整える用途に使用します。見た目は若干安っぽい印象ですが、ワンタッチで引き上げることができます。モミアゲなどの長い毛は、普通にシェービングしても引っかかって痛い思いをするのでトリマーを使いましょう。
シリーズ3「3020s-B」の不満点
シリーズ3はブラウンの電気シェーバーの中では普及価格帯のモデルで安く手に入る反面、様々な部分でコスト削減されています。
今回のリニューアルにより新機能が搭載されデザインも一新されましたが、どうしても安っぽい印象はあります。特にボタン部分などは固くて押しづらく、上位機種から買い替えた場合は不満を感じると思います。
また、充電残量の表示も3020s-Bは2段階のため残りの残量が把握しづらいです。シリーズ3の最上位モデル3090ccならば4段階、その他のモデルは3段階表示のため気になる方はご注意を。またシリーズ3は中国製プロダクトとなります(シリーズ5以上がドイツ製)。
シリーズ3とシリーズ5の違い
ブラウンシリーズ3のワンランク上のモデルが「シリーズ5」になります。1万円程度から販売されており、シリーズ3よりは数千円高くなりますが、ヒゲの濃い方などにはシリーズ5以上をお薦めしたいです。
シリーズ3は良い意味でも悪い意味でも安く販売されているモデルですので、人によっては購入後に不満が残るかもしれません。例えば、生産国や内蔵電池の違いなどが分かりやすいです。
製造国や内蔵電池の違い
網掛けに色をつけてある部分が、シリーズ3とシリーズ5の大きな違いです。ちなみに写真(左)に写っているシリーズ5は5040sというお風呂剃り対応モデルで、1万5000円ほどで購入しました。現在はだいぶ値下がりしてきたと思います。
製造国の違い
シリーズ5はどのモデルもすべてドイツで製造されています。一方のシリーズ3はコストを抑えるためすべてのモデルが中国製です。
バッテリーの違い(リチウムイオンとニッケル水素)
シリーズ5がリチウムイオン電池(Li-Ion)なのに対し、シリーズ3はコストの安いニッケル水素電池(Ni-MH)を内蔵しています。
一般的にニッケル水素電池の欠点として自己放電によるバッテリー容量低下や、継ぎ足し充電により本来の充電容量が低下してしまう「メモリー効果」があげられます。また、重量もリチウムイオン電池に比べ重いです。
自己放電とは?
バッテリーは使用しなくても、時間の経過と共に徐々に充電された電気を放電します。ニッカド電池>ニッケル水素電池>リチウムイオン電池の順に自己放電率は高くなります。
メモリー効果とは?
シェーバーのバッテリー容量がある程度残っている状態で放電を止め継ぎ足し充電を行うと、継ぎ足し始めた付近の容量を記憶(メモリー)するようになります。その後、シェーバーを使用し容量付近までくると電圧が低く推移しパワー不足に陥ることがあります。この現象がメモリー効果と呼ばれています。
リチウムイオン電池は自己放電(使用していないときに電池が減ること)やメモリー効果は、ほとんど無視できるレベルです。その分コストが高く、安価な電気シェーバーには搭載されません。
リチウムイオン電池 (シリーズ5) | ニッケル水素電池 (シリーズ3) | |
重量 | 軽い | 重い |
メモリー効果 | ほとんどない | ある |
自己放電 | ほとんどない | ある |
コスト | 高い | 安い |
近年、エネループなど自己放電やメモリー効果を克服したニッケル水素電池も登場していますが、シリーズ3に搭載されているニッケル水素はそこまで高性能ではないと思います。
実際に分解してみないとわかりませんが、もしエネループのようにメモリー効果による電圧降下の影響が少ないニッケル水素電池を使用しているのであれば、メーカー側は大々的に公表するはずです。
シリーズ3の詳細スペックをみても、残念ながら一般的なニッケル水素電池であると予想できます。ちなみにシリーズ5は公式HPでも「メモリー効果は無く自己放電は少ない」と公表しています。
メモリー効果からの回復方法
容量の減少は見かけの現象で、実はトータルではそこまで容量は減っていない場合が多いです。リフレッシュと呼ばれる深い放電を行うことで通常は解消されると言われています。
電気シェーバーの場合は一度完全に放電し切ってから再びフル充電することでリフレッシュ効果が期待できます。ですが、高温状態で保存されていたり充電回数の寿命が近くなっていればバッテリー自体の容量が劣化しているため、完全に元には戻りません。
充電池を長持ちさせるには、高温になる場所に放置しないことです。シリーズ3は安く購入できるため車のダッシュボードなどに置いておくために購入する人もいるかもしれませんが、夏場など高温になる季節は電池の劣化が進むので注意してください。
ヘッドの首振り機能の有無
シリーズ5は前後に首振り機能(ロック可)があります。一方のシリーズ3は網刃のサスペンションだけです。
例えばアゴの下や喉仏など凹凸のある部分はヘッドが前後に触れるほうが肌に追従しやすく密着するので、より剃りやすくなります。シリーズ3の場合は手首を返したり持ち手を変えて角度を付けてやる必要があります。
その他の細かい違い
ボタンもシリーズ5のほうが押しやすいです。シリーズ3のボタンは固く、押した感触もベコッとした感じ。また全体の質感もシリーズ5以上になると安っぽさがありません。
シリーズ5は、軽量化を実現する合成繊維や、デザイン性と耐久性に優れた最先端の素材を使用しています。背面のトリマーの上げ下げもシリーズ5のほうがスムーズ。ヘッドの網刃の面積もシリーズ5のほうが大きくワンストロークで多くヒゲを剃ることができます。また、パワードライブモーターの搭載により素早くシェービングすることが可能です。
【今回比較した機種】
付属品もシリーズ3は必要最低限のものしかありませんでしたが、シリーズ5にはオイルや携帯ポーチ(5090ccは保護ケース)なども付属します。
特にオイルは必要不可欠ですので付属しないシリーズ3はちょっと不親切に思えました。もし、シリーズ3かシリーズ5のどちらかを購入するか迷っているのであれば、数千円の差ですのでメインで使用する場合、個人的にはシリーズ5をお薦めしたいです。
毎年、各メーカーの最新モデルを複数購入しているシェーバーマニア。「深剃り向き」「敏感肌向き」「携帯向き」のおすすめのシェーバー、さらには「敢えておすすめしないモデル」まで解説します。最近のレビュー記事等はこちら。シェーバー選びの際は是非ご参考ください。