高級シェーバーはなぜ売れるのか?メーカーの「音」へのこだわり
2015/04/23
なぜ人は高級なシェーバーに手をのばすのか
高級シェーバーと呼ばれる価格帯は大体30,000円~程度の最上位機種のことである。BRAUNならばシリーズ9、PHILIPSなら9000シリーズがそれにあたる。しかし、なぜこのような高いモデルが売れるのだろうか?
電気シェーバーは安いものを買おうと思えば3000円ほどで手に入れることができる。高級シェーバーとよばれるような製品と比較すると価格差は約10倍ほど。もちろん「10倍」の値段を払うことで得られる体験は素晴らしいものである。
例えば、パナソニックの5枚刃シリーズ(2万円台~)には「世界最速のリニアモータードライブ」が搭載されている。3000円のシェーバーで10分以上かかっていた髭剃り時間も3分以内に収めることができる。
「時は金なり」という言葉もあるが、朝の時間というのは大抵の人にとって1分1秒が大事であり、できれば髭剃りになど時間をかけていたくないのが本音だ。さっさと朝支度を済ませてコーヒーをゆっくり飲んでから出勤できればなんと幸せだろうか。たまに、電車や地下鉄のホームで忙しそうに電気シェーバーを動かす人を見かけるがラムダッシュシリーズなら、そんな思いをしなくて済む。
Panasonicシェーバー ラムダッシュ5枚刃の性能比較表(2017-2021年モデル)毎朝、シェービングでヒリヒリする人はどうだろうか?3000円のシェーバーで毎日のように肌を赤くしてから出勤するなんて本末転倒である。ヒゲが生えていれば清潔感がないし、かといって安いシェーバーを肌に押し付けてしまえば肌が赤くなるのだ。こういう人はフィリップスの9000シリーズなどに投資したほうがよっぽど毎日を快適に過ごせることだろう。
高級シェーバーの性能面以外での魅力
しかし、本当に性能だけで高級シェーバーは売れているのだろうか?どうやらそれは違うようだ。下位のモデルより最新のテクノロジーを搭載していたり、性能が上回るのはもちろんだが他の要素もある。
たとえば「質感」。高級モデルは質感の良さがある。毎日使うものだから腕時計や万年筆のように、自分の満足のいく質のモノを使いたいという方が多い。
さらに驚いたのがメーカーは質感だけでなく「音」にもこだわっているらしい。以下は少々古い記事になるが日経トレンディネットからの引用である。
実は高級モデルは、音にもこだわっている。「ちゃんと剃る音がすることが満足度につながるので、『ラムダッシュ』はチューニングして満足度が高い音に調整していている。評判は良いですよ」と言うのは松下電器産業。ブラウンの「プロソニック」も、音波振動のために搭載している高速モーターの音がそのまま聞こえると耳障りなので、耳に心地よい周波数帯になるようにチューニングを加えている。
引用元:日経トレンディ高級シェーバーはなぜ高い?
下位モデルに差を付ける“目玉技術”をチェック!
ブラウンのサウンドデザイナーが音響実験室でシェーバーのモーター音を録音し、耳障りの良い音に仕上げるのだそうだ。これには私もびっくりした。
確かに低品質なシェーバーの音と高価格帯のシェーバーの音は全く異なる。前者は耳をつんざくようなモノもあるし毎日使うのに耐えられない人もいるかもしれない。高級シェーバーの心地よいモーター音は、朝の忙しい時間でも心をやわらかく包んでくれる。
高級モデルは洗浄器が付いているから高いのではない。良い刃を使っているから、刃の枚数が多いから高いのではない。ヒゲを剃るために最新の性能が搭載されていることはもちろんだが、高いシェーバーには、「質感」や「音」までのこだわりが詰め込まれている。だから、人はそれを手にとって剃り味以外の部分でも満足感を得られる。
BRAUNシェーバー シリーズ9の性能比較表(「ハイブリッド5カットシステム」搭載モデル)だからといって低価格なシェーバー製造に手を抜いているわけではない。BRAUNにはシリーズ9、シリーズ7、シリーズ5、シリーズ3とあり、シリーズ9が最も高額でシリーズ3は安く販売されている。価格差も5倍から10倍と開きがあるが、高いシリーズ9も安いシリーズ3も、他のシリーズも非常によく売れている。それは、どの価格帯のシリーズもそれぞれ明確な特徴や性能が創出され、改良により品質が維持され続けているからである。
さらに、BRAUNというブランドのコアとなる「深剃り」というコンセプトはすべてのシリーズに共通して打ち出されている。様々な需要に対応するだけでなく、商品のポジショニングを拡大することで新たな需要を生み出し幅広いユーザーに愛され、思い入れの強いメーカーとなる。あなたにも思い入れのあるシェーバーの1台との出会いがきっとあるはず。
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毎年、各メーカーの最新モデルを複数購入しているシェーバーマニア。「深剃り向き」「敏感肌向き」「携帯向き」のおすすめのシェーバー、さらには「敢えておすすめしないモデル」まで解説します。最近のレビュー記事等はこちら。シェーバー選びの際は是非ご参考ください。