PHILIPS ポータブルシェーバー PQ190/16の性能を従来モデルと比較レビュー
2020/05/10
▼目次
2020年4月に発売されたPHILIPSの「ポータブルシェーバー PQ190/16」を購入したため、簡易的にレビューしてみたいと思います。
といっても、上位モデルのような多彩な機能はなく、シェーバーとしては必要最低限のシンプルな機能しか持ち合わせていないため、お伝えできることは少ないかもしれません。
コンパクトシェーバーは一般的なフルサイズのシェーバーに比べればパワーは弱く、髭が濃い人が日常的にメインで使用するために購入するのはオススメできません。もちろん、中高生の生え始めのようなヒゲであれば十分な性能ですが、成人男性の太く硬いヒゲをスピーディーに剃り上げるにはやはりコンパクトシェーバーは役不足です。
では、何故コンパクトシェーバーが長年売れ続けているのかといえば、その携帯性とコストの安さ。
車のダッシュボードや職場のロッカー、緊急用の備えやアウトドア用など様々なシーンで使いやすく、セカンドシェーバーとして購入しやすい価格帯のため常に安定した人気があります。往復式コンパクトシェーバーではBRAUNのモバイルシェーブ M-90や、Panasonicの一枚刃シェーバーなどが定番の商品として長く愛されています。
今回、ご紹介する「ポータブルシェーバー PQ190/16」は肌に優しい回転式を採用するPHILIPSシェーバーの携帯モデル。
PHILIPSユーザーにはお馴染みでしょうが、使ったことがない人でも一度見たら覚えてしまう特徴的な回転式ヘッドにはファンも多く、他の駆動方式は使う気になれないという人もいるほど。肌への優しさって凄く重要なんです。
「ポータブルシェーバー PQ190/16」と従来モデルの比較
PHILIPS ポータブルシェーバーは「乾電池式」「充電式」の2タイプがラインナップされていますが、今回ご紹介するPQ190/16は「充電池式」にあたるモデル。
充電地式モデルは「PQ220/19」の型番で既存のモデルが存在しており、そちらが販売終了となるのかは記事執筆時点ではアナウンスがありません。(PHILIPS公式サイトでは両方がラインナップされています)
ちなみにアルカリ乾電池で動くモデルの「PQ209/17」はモデルチェンジもなく継続して販売されているようです。
【追記:2021/10/31】 PQ220/19、PQ209/17は販売終了となりました。
【関連記事】充電池式の新モデル「PQ190/16」と従来モデル「PQ220/19」、その大きな違いは電源プラグが本体一体型になった点。出張や旅行など外出先で活躍するコンパクトシェーバーですが、かさばる充電ケーブルを持ち運ぶ必要は無くなりました。
その他のスペックを比較してみると以下のようになります。
新モデル | 従来モデル | ||
型番 (発売年) | PQ190/16 (2020年) | PQ220/19 (2017年) | PQ209/17 (2017年) |
駆動方式 (ヘッド数) | 回転式 (2個) | ||
搭載刃 | CLOSE CUT刃 | CLOSE CUT刃 | CLOSE CUT刃 |
ヘッド可動域 | 刃のみ | ヘッドと刃 | 刃のみ |
交換用替刃型番 | HQ56/51 | ||
電源方式 | 充電式 (ニッケル水素電池) | 充電式 (ニッケル水素電池) | 乾電池式 (単3アルカリ乾電池2本) |
充電時間 | 約10時間 | 約8時間 | - |
使用可能時間 | 約30分 | 約30分 | 約60分 |
収納ケース | - | 付属 | 付属 |
保護キャップ | 付属 | - | 付属 |
質量 | 約113g | 約115g | 約141g |
取扱店舗 | Amazon 楽天市場 | Amazon 楽天市場 | Amazon 楽天市場 |
PQ190/16は従来機種と同じくニッケル水素電池を採用しています。充電時間が少し伸びたものの使用可能時間は約30分と変わらず。
残念な点としては、従来機種では標準オプションだったシェーバーケースが付属しなくなったこと・・・。代わりにプラスティック製の保護キャップが付属しますが、鞄の中などに入れる機会が多いポータブルシェーバーにはケースを付属してほしかったところです。
シェービングヘッド可動域の違い
PQ190/16のシェーバーヘッドは従来の充電池式である「PQ220/19」のような可動域はなく、乾電池式の「PQ209/17」と同様の固定式ヘッドフレームが採用されています。
可動域は刃が上下に浮き沈みするだけで最小限のサスペンション機能です。ポータブルシェーバーに多くは望みません。
「ポータブルシェーバー PQ190/16」のパッケージ内容
「ポータブルシェーバー PQ190/16」のパッケージ内容は以下の通りです。
・シェーバー本体
・保護キャップ
・掃除用ブラシ
・取扱説明書・保証書
取扱説明書の裏面は保証書になっており、フィリップスの2年保証が適用されます。レシートや領収書と一緒に保管しておきましょう。
外観を従来モデルと比較レビュー
カラーリングは本体全面が落ち着いたネイビー、電源スイッチや背面はブラックの配色。(形状は乾電池式のコンパクトシェーバーであるPQ209/17に似ています)
一般的なシェーバーに比べ非常にコンパクトかつ、本体重量は113gと軽量です。あまりに軽く小さいため持ちにくさを危惧していましたが、ギザギザに加工された電源スイッチに指を引っ掛ける形で安定して握ることができました。
PQ220/19は左右がくびれており手に馴染みやすいデザインでしたが、PQ190/16ではより丸っこいデザインに。
従来モデルにあたる乾電池式のPQ209/17と比較するとほぼ同じような大きさですが、内蔵バッテリーになったことで重量は3モデルの中で最も軽くなっています。
【画像左から】
・PQ190/16…約113g
・PQ220/19…約115g
・PQ209/17…約141g(アルカリ乾電池2本を含む)
スイッチは大きくて使いやすいが、ロック機能は欲しかった
前面に配置された大きな電源スイッチは上方向にスライドでON、下方向にスライドでOFFとなります。残念ながらスイッチのロック機能はありません。
鞄に入れる機会も多いコンパクトシェーバーですのでロック機能は欲しかったですね。スイッチの作りは硬めなので不意に電源が入ってしまうことは無いかと思いますが、ケースの付属もないため不安に感じてしまいます。
自動研磨式の2ローターリーヘッド
PHILIPS独自の回転式刃を搭載した2ロータリーヘッド。使用する度に内刃が外刃に当たって磨かれるため、尖端が一定の角度を保ちます。この仕組み(自動研磨システム)を持つため、往復式シェーバーのようにメンテナンス用オイルを塗布する必要がありません。
ちなみに、PHILIPSのフルサイズモデルは現行ラインナップの全てが3ロータリーヘッドであり、2ロータリーのものはこういったコンパクトシェーバーでしか見ることができません。
回転式シェーバーの上手な剃り方
使い方は肌に対してクルクルと円を描くように剃っていきます。直線的にヒゲを捉える往復式シェーバーやT字カミソリと異なり全方位からヒゲを取り込むため、初めて回転式シェーバーを使う方は慣れが必要かもしれません。
ヒゲの生えている向きを意識し、片方の手でしっかりとヒゲを立たせてやると回転刃が効率よくヒゲをとらえてくれます。もし汗などで滑りが悪いと感じたらプレシェーブローションを使ってみましょう。肌がサラっとしている状態のほうがしっかりドライ剃りできます。
メンテナンスのしかた
溜まったヒゲクズを捨てる際はシェービングユニットを本体から引き抜き、付属ブラシでヒゲくず受けのブラッシングを行います。これが基本的なメンテナンスとなります。
刃の汚れや匂いが気になってきた際は、刃を取り外すことでより徹底的にクリーニングすることができます。
中央のS字になったバネ部分をつまむことで、保持板をシェービングユニットから取り外すことができます。
刃は保持板からスライドさせるように取り外せます。(外刃と内刃の組み合わせが変わると剃り心地も変わってしまうため、1セットずつ取り外すことをおすすめします)
刃に皮脂汚れが付着しているとカット性能も低下しやすいため、外刃と内刃をしっかりとブラッシングしてあげましょう。
また、シェーバー本体が非防水のため水洗いは公式的に推奨はされていませんが、取り外した各パーツや刃をぬるま湯や中性洗剤で洗うことは非常に効果的です。
シェーバー本体が濡れると故障の原因となるため、各パーツや刃を水洗いした際は完全に自然乾燥させてから本体に装着してください。
ちなみに刃の交換目安は約2年であり、替刃の型番はHQ56/51となります。(PHILIPSの替刃は3個入りのため、コンパクトシェーバーに使用すると1個余ってしまいます・・・。2個入りのものを販売してもらいたいところ)
充電方法とバッテリー性能
PQ190/16は電源プラグ一体型になったおかげで、持ち運びの際に充電コードを持っていく必要はなくなりました。
荷物が1つ減ることが最大のメリットですが、コンセント位置や電源タップの形状によってはシェーバー本体と干渉して差し込めないケースもあります。一般的な壁コンセントならば問題はまず無いかと思いますが、洗面所のコンセントなどに差し込みできない場合は延長コードなどで対処しなくてはいけません。
もう一つの問題としては、フル充電までに約10時間と非常に長い時間を要すること。使用可能時間も約30分間と短めであり、決してバッテリー性能が良いとは言えません。一度のシェービングに10分掛かる人ならば少なくとも2~3日に1回は充電を行わなくてはいけません。
また、従来モデルと同様に交流式ではないため延長コードで充電しながら使用する、といったことは不可能です。いざシェービングしようとしてバッテリー切れに気づいた!なんて際は非常に困りますので、就寝前に充電しておくのを忘れずに。
一方で乾電池式のPQ209/17であれば、充電がなくなった際も電池を取り替えればすぐにフルパワーで使用できます。海外などではコンセントの形状に気を使わなけれいけませんが、単3乾電池なら現地のスーパーマーケットで容易に入手することができます。
ただし交換用の乾電池コストが永続的に掛かるため、エネループなど再利用可能な電池を使うと良いかもしれません。
充電式と乾電池式、どちらにもメリット・デメリットがあります。自分の好みや使用環境に合わせて最適なモデルを選んでくださいね。
【乾電池式モデル(販売終了)】
その他の選択肢
回転式ではなく往復式シェーバーのコンパクトモデルをお探しであれば、冒頭でもご紹介したBRAUNのモバイルシェーブ M-90やPanasonicの一枚刃シェーバーがおすすめです。これらは回転式シェーバーのような優しい肌当たりはありませんが、深剃り性能に長けています。
とは言っても、コンパクトシェーバーは携帯性に特化した機種であり、成人男性の濃いひげやクセひげを日常的に剃るにはスペック不足なケースがほとんどです。あくまでも外出時に気になった無精ひげを剃る、職場用やアウトドアのお供といったセカンドシェーバーとして活躍する機種だと考えてください。
自宅メインで使用するのに適したフルサイズのおすすめシェーバーは、以下のページに厳選モデルをまとめていますので是非ともご参考ください。
▶《タイプ別に厳選!》電気シェーバーおすすめ人気ランキング【2023年最新版】
毎年、各メーカーの最新モデルを複数購入しているシェーバーマニア。「深剃り向き」「敏感肌向き」「携帯向き」のおすすめのシェーバー、さらには「敢えておすすめしないモデル」まで解説します。最近のレビュー記事等はこちら。シェーバー選びの際は是非ご参考ください。