パナソニックのコンパクト1枚刃シェーバー3機種を比較レビュー【ES3832P-S・ES-RS10-S・ES518P-S】
2018/03/01
▼目次
Panasonicから販売されている往復式1枚刃シェーバー3種類を購入してみました。どれも、旅行などにも携帯しやすいモバイルシェーバー(ポケットシェーバー)的な位置づけです。
画像左から「スーパーレザー ES3832P-S」、「メンズシェーバー ES-RS10-S」、「カードシェーバー AITE(アイト) ES518P-S」と並べてみました。型番末尾の-Sはシルバーの意味です。
スーパーレザー ES3832Pとメンズシェーバー ES-RS10の2モデルはAmazonにて1,000円台で購入。T字カミソリのホルダーを買うのとそこまで変わらないというコスパの良さですね。
薄型名刺サイズであるカードシェーバー AITEは、性能的に他の2モデルとそこまで変わらないものの、デザインが秀でているためか4,000円台とちょっとお高めでした。
Panasonic 1枚刃シェーバー | ||
パナソニックの携帯向けシェーバーを実際に使い比べてみました
今回も、あくまで個人的な主観となりますがレビューしていきたいと思います。髭質や肌によって感じ方は人それぞれですが、ひとつの参考になれば幸いです。
※筆者の髭質はくせが多く硬め、肌はカミソリだとすぐ負けてしまう敏感肌です。
「スーパーレザー ES3832P」と「メンズシェーバー ES-RS10」
まず、画像左から「スーパーレザー ES3832P」と「メンズシェーバー ES-RS10」の2モデル。この2つは搭載している刃の型番が同じということもあり、剃り心地は特に差が感じられませんでした。
実際の使用感としては、肌へのあたりが強いです。一応、下に沈み込むフロート機能はあるものの、剃り残したヒゲを深剃りしようとつい押し付けてしまいヒリついて赤くなってしまいました。
多枚刃シェーバーに比べるとワンストロークでのカット量がそこまで多くないため、1枚刃シェーバーで濃いヒゲをしっかり深剃りするというのは中々むずかしい印象です。
価格が何倍もする5枚刃ラムダッシュと比較するのは酷かと思いますが・・・。
1枚刃シェーバーの外刃はホールでヒゲを捉える網刃のみであり、長いヒゲやくせヒゲを捉える性能は乏しいです。ハイエンド機種には網刃に挟まれる形で中央にトリマー刃が搭載されており、くせヒゲや寝たヒゲをキャッチしやすい工夫が施されています。
また、1枚刃シェーバーはヘッドの首振りがないためアゴや喉仏などの凹凸には追従させにくく、手首を上手く使ってやる必要がありました。
こうしたスペック不足は多々感じるものの、片方の手でヒゲ出しを行いながらゆっくりとストロークさせることで外出するのには十分なシェービングが完了してしまいます。
剃る前にはプレシェーブローションをしっかりと塗ってやると尚良し。
もちろん、パナソニックの代表的シェーバーであるラムダッシュシリーズに比べると早剃り・深剃り性能は劣ってしまいますが、これが千円台で購入できてしまうというのはちょっと衝撃的です・・・。
筆者のように「髭が濃い、肌が弱い」という人がこうしたコンパクトシェーバーをメインに据えるにはスペック不足かと思いますが、2台目や予備としては必要十分。
自宅に置く用の予備シェーバーとしてなら、スーパーレザー ES3832Pのほうがおすすめです。四角いES-RS10と比べると丸みを帯びているボディが持ちやすく、まるごと水洗いにも対応しておりメンテナンス性も良いです。シェービングフォームを用いたウェット剃りもOK。
メンズシェーバー ES-RS10はコンパクトで持ち運びには便利。
ただし、水洗いが不可のため毎回のブラシがけが面倒です。(内刃・外刃を取り外してしまえば、一応水洗いすることは可能ではある。ES-RS10の本体には防水性能がない)
カードシェーバー AITE(アイト)はデザインが気に入る人にはおすすめか
カードシェーバー AITEは前述した2モデルとはまた異なった面白い形状。
名刺ケースのようなアルミボディは高級感があり、保護キャップを外さなければシェーバーだとは分からないのではないでしょうか。実はこれ、Panasonicシェーバーの中で最も薄くコンパクトなシェーバーです。
ただし、シェーバーとしての性能は前述の「スーパーレザー ES3832P」や「メンズシェーバー ES-RS10」に優位性を持つわけではありません。価格も普通に3枚刃シェーバーあたりを購入できてしまう値段ですので、デザイン性が気に入ったのでなければ、そこまでコスパが良いシェーバーとは言えないかと思います。ちなみにこれも、本体に防水性は無く水洗いは不可。
3モデルの中でカードシェーバー AITEの刃は最も細く、肌への接地面積は小さいです。やろうと思えば眉毛の手入れも出来てしまうレベル。(もちろん全て剃り落としてしまわないように注意は必要ですが・・・)
コンパクトシェーバーの魅力はやはり携帯性
「撫でる程度で剃り終えてしまうヒゲの量の人」や、「そこまで肌が弱くない」という人にはこれ以上ないコスパを誇る1枚刃シェーバー。
普段から3枚~5枚刃などのシェーバーの剃り心地を経験している人間からすると、どうしてもワンランク下の剃り心地に感じてしまいますが、いままで往復式電気シェーバーを使ったことがないという人の入門用としても最適なのではないかと思います。
もちろん、この価格帯のシェーバーに肌への優しさと深剃り性能の両方を求めるというのは酷な話です。この価格帯だからこそハイエンドとはまた違った魅力があります。
その一つがまず、携帯性。
例えば、出張や旅先に5枚刃シェーバーをハードケースに入れて持って行こうとすれば、割と邪魔な荷物なります。キャンプに行く際など「できるだけ荷物を最低限にしたい!」なんて場合は特に。
比較用にiphone8とシェーバー3モデルを並べてみました。形状のコンパクトさはどれもジャケットのポケットに入るレベルです。(より詳しいサイズはこちら)
これならカバンに忍ばせておいても邪魔な荷物と感じることはないのではないでしょうか。なにせ、私達がいつも持ち歩くスマートフォンよりも小さいのですから。
実際に入れるかどうかは別として、メンズシェーバー ES-RS10やカードシェーバー AITEなんてワイシャツのポケットに忍ばせることも出来てしまいます。
ジャケットからさりげなく電気シェーバーを・・・。うーむ、一周回ってそれがお洒落な時代が来るかもしれない。
ファッション性はさておき、車の中や職場に置いておくのも良いかもしれませんね。朝、剃り残してしまった数本の髭をサッとシェービングしたり、夕方の飲み会前にジョリジョリと、結構活用できるシーンは多いと思います。
「メインシェーバーが壊れてしまった!」とか、「充電するのを忘れてた!」なんて時の緊急用としても、この価格帯であれば導入コストも安くて最適ではないでしょうか。
乾電池式だから緊急用の「予備シェーバー」としても最適
これは個人的な経験談ですが、3.11大震災の時は電気の復旧まで充電式シェーバーはまるで役に立ちませんでした。T字カミソリも水がないと使用するのは難しいです。
私の場合は幸い自宅の半壊レベルで済みましたが、それでも震災直後は髭など剃っている暇はありませんでした。まずは家族の安否や、散らかった家の中の整理、食料の確保、仕事先への連絡などやることは山積みです。
ですが、ある程度落ち着いてくると様々なことに不便を感じ始めました。例えば女性の場合は化粧品など、男性の場合は普段の髭剃りができずに困るケースが出てきます。
乾電池式シェーバーであれば乾電池さえ保管しておけば緊急時にも髭を剃ることができます。水なしで剃れるというのは電気シェーバーの最大のメリットかもしれません。
コンセントが使えないアウトドアはもちろん、急な仕事で宿泊することになった、などなど様々なシーンでの活用ができると思います。特に、出張先のビジネスホテルにあるカミソリなんて血が吹きやすいので使いたくないですからね・・・。
ここで、中には「エネループを使えば維持コストも下げられるな」と思われた方もいるかもしれませんが、ちょっと注意があります。
エネループの使用について
各モデルの説明書を読むと「メンズシェーバー ES-RS10」のみ、充電池の使用が可とされていました。
「スーパーレザー ES3832P」と「カードシェーバー AITE」は充電式電池は使わないで下さいとの注意書きが説明書にもあります。つまり、エネループは使うなということです。
乾電池の電圧は1.5Vであり、充電式電池の電圧は1.2Vのため放出する電流が異なります。そのため電圧不足による動作不良の可能性や、故障・事故の防止という観点から使用を禁止しているのだと思います。
ただ、Amazonなどのレビューを見る限りはかなり多くのユーザーが同社のエネループなどの充電池を使っているみたいですね。私も手持ちのエネループで「スーパーレザー ES3832P」と「カードシェーバー AITE」を数週間使用してみましたが、今のところは全く問題なく使用できています。
メンズシェーバー ES-RS10が充電池OKなのは保護回路でも入っているのでしょうか。
やはり、使い捨ての乾電池より充電池を使うほうが長期的には安く上がりますし、環境保護という観点からも良いですよね。カードシェーバー AITEは単4形ですのでお間違えの無いよう。
ただ、念のため充電池の使用は自己責任でのご利用をお願いします。
小回りが利きやすく髭をデザインしやすい
長々と書いてきましたが、1枚刃シェーバーを使用することのメリットとして最後にもうひとつ、「小回りが利きやすい」ことが挙げられます。
その特性から、髭を生やしている人にはおすすめです。特に、アゴ髭や口ひげなどを部分的に生やしている方など。
多枚刃シェーバーだと大きなヘッドが残したいヒゲまで剃りがちなのですが、一枚刃なら狙った場所だけに刃を当てやすい。そのため、アゴ髭や口ひげの形をデザインしやすいです。
長さはヒゲトリマーで整え、残したくない部分を1枚刃シェーバーで剃ってしまうという使い分けもオススメです。
製品ラインナップ
Panasonic メンズシェーバー1枚刃の性能比較表はこちら
毎年、各メーカーの最新モデルを複数購入しているシェーバーマニア。「深剃り向き」「敏感肌向き」「携帯向き」のおすすめのシェーバー、さらには「敢えておすすめしないモデル」まで解説します。最近のレビュー記事等はこちら。シェーバー選びの際は是非ご参考ください。