洗練されたデザインと性能の一体化|BRAUNシリーズ9「9090cc」の購入レビュー
2016/06/12
▼目次
洗練されたデザインと機能が一体化!BRAUNの最上位モデル「SERIES9 9090cc」購入レビュー
BRAUNから2016年現在発売されている中で最上位機種にあたる「シリーズ9」を購入し、1ヶ月ほど使い込んでみたのでレビューしてみたいと思います。
筆者はBRAUNシェーバーの中で比較的価格の安いシリーズ3、シリーズ5を所持していますが、シリーズ9は3万円近い価格のためなかなか手が出せませんでした。
そんな中、ふとBRAUN公式サイトをみると「5000円キャッシュバック!」の文字が目に飛び込む。対象商品(シリーズ9かシリーズ7)と洗浄カートリッジを購入すると応募できるというものでした。定期的にBRAUNはこういったキャッシュバックを行なっているので少しでも安く手に入れたい人はこまめにサイトをチェックしてみると良いかと思います。
洗浄カートリッジは消耗品だしストックは多いほうがいいと思い、今回は6個入りと本体(9090cc)をポチり。WEBサイトで応募用紙をダウンロードもしくは店頭で手に入れ、必要事項とバーコード、レシートを送付すれば普通為替で5000円分が送られてくるようです。ちなみにこのキャンペーンは2016/08/1まで行なっている模様。
9090ccを選んだ理由
BRAUNシェーバーのラインナップは暫くの間シリーズ7が最上位モデルでしたが、2014年に約8年ぶりにフラッグシップモデルとして最上位モデル『シリーズ9』が投入されました。
今回購入したモデルは「9090cc」という型番でドライ剃り専用です。
お風呂剃り対応モデルを購入するか迷ったのですが、既に何本かお風呂剃り対応シェーバーを所持していたのと「充電交流式」のシェーバーが欲しかったため今回は見送りました。
ドライ剃り専用モデルのメリットとしては充電方式が「充電交流式」のため、電池切れの際もコンセントで給電しながら使用することが可能な点です。
お風呂剃り対応モデルの場合はどのメーカーのシェーバーも「充電式」となるため(感電防止の観点から)、いざ電池が切れた場合は充電しながら使用することができません。ですがお風呂剃りは肌に優しく剃ることができるというメリットがあります。
肌に優しいお風呂剃りは「充電方式とのトレードオフ」になりますが、基本的にお風呂場でシェーバーを使用する習慣の無い方はドライ剃り専用のモデルを買ったほうが使い勝手は良いかと思います。
ちなみにシリーズ9には「9095cc」や「9040s」といったお風呂剃り(ウェット剃り)対応モデルも発売されていますが、基本性能は同じ点が多いためそちらを検討中の方の参考にもなれば幸いです。
【開封】BRAUN SERIES9「9090cc」のパッケージと中身
自動洗浄器も付属しているため箱がデカイです。
BRAUN SERIES9「9090cc」の付属品は以下の通り。
・取扱説明書(保証書付き)
・全自動洗浄充電器(クリーン&リニューシステム)
・ACアダプター
・洗浄液カートリッジ
・掃除用ブラシ
・保護ケース
いままで色々な電気シェーバーを買いましたが往復式シェーバーで専用オイルが入っていなかったのは初めてかもしれません。クリーン&リニューシステムが付属するので潤滑化はそちらで十分ということなのだと思います。
ですが、個人的には自動洗浄器を使わず手洗いする場合もあるため、その際は「ブラウン シェーバークリーナー」で潤滑化させています。BRAUNさん、やっぱりオイルは必要じゃないですかねぇ・・・。
掃除用ブラシはギターのピックくらいの大きさ。普段の手入れはこれで行います。
取扱説明書の裏側が保証書となっていました。購入日より1年間は無料保証期間ですので捨てないようにしましょう。
保護ケースは付属するが保護キャップがない
保護ケースは表面が布で覆われており中にしっかりとした芯が入っているようです。カバンやリュックに入れておくには十分な耐久性だと思います。ただ少しホコリなどが付きやすいかもしれません。開閉はジッパー式です。
それと、ヘッドに装着する保護キャップが付属しません。
↑シリーズ5を購入した時には付属していたので、てっきりシリーズ9にも付いてくるのかと思いきや箱の隅まで探しても見当たりませんでした。
保管は保護ケースでということでしょうか。個人的には本体だけ洗面所に置いておくこともあるので、万が一の落下に備えてキャップは欲しかったところです。
本体を使い終わった後は自動洗浄器に立てておくのが一番安全かと思います。
リチウムイオン電池搭載なので、洗浄器にさした際の継ぎ足し充電によるメモリー効果などは無視できるレベルです。洗浄自体もボタンを押さなければ行われません。
では、まず外観からレビューしていきます。
機能性を重視したムダのないシンプルなデザイン
BRAUNシェーバーはとにかく見た目がカッコいいです。個人的には自分の父親がBRAUNを使っていたので、大人になったらみんなBRAUNでヒゲを剃るんだと思っていました(笑)子供だった私にとってBRAUNはなんだか大人の象徴のように映ったものです。
そんな私もいまやBRAUNオーナー。ということで9090ccの外観から見ていきましょう!
形状は左右対称のシンプルな形状で、BRAUN独特の無駄のないデザインです。
背面はラバーで覆われており、滑りにくくなっています。持った時のグリップ感も良く手首への負担もありません。
毎日の生活で使用するものですから飽きが来るような無駄な配色やデザインは一切施されていません。
シルバー調のカラーは高級感がありますが決して嫌味な感じはなく、違和感なく生活の中に溶けこみます。まるでアップル製品のような印象を受けた方もいるかもしれませんが、実はBRAUNとAppleは無関係とは言い切れないらしいです。
Rams' designs have been very influential on Jonathan Ive of Apple, Inc., designer of such products as the iMac and the iPod.[1]
ラムスのデザインは、iMacやiPod等のような製品のデザイナーであるApple社のジョナサン・アイブに大きな影響を与えている
なんとBRAUNのデザイナーがApple製品に影響を与えたという。
少しデザインの話に逸れるのでシリーズ9の性能(スペック)や使用感を知りたいという人は飛ばし読みしてください。
ラムスって誰ぞ?
BRAUN社のデザイン部門ディレクターとして数々の製品を世に送り出してきたインダストリアルデザイナー。1995年まで40年に渡りBRAUN社のデザイン部門を率いていました。
Appleをはじめとする世界中のプロダクトデザインに大きな影響を与えた巨匠「ディーター・ラムス」
ヘッド部分のさりげないロゴもカッコいいです。しばらく眺めてニヤニヤしてたら鏡面仕上げのヘッドに気持ち悪い自分が映っていました。
BRAUNのプロダクトデザイナーといえばドイツの巨匠ディーター・ラムスという方が業界では有名人らしいです。Appleなどに多くの影響を与えたと言われています。
iPhoneの計算機アプリケーションには、ラムスがデザインしたBraun ET66計算機からの影響が明らかであるとされている。
iphone標準電卓アプリのデザインへ影響を与えたという「ET66」というBRAUN電卓は復刻版が発売されています。電卓なのにバカ高いです。アプリの画面と確かに似てるっちゃ似てる気がしますね。
ラムス氏は1995年にBRAUNを退社していますが、その哲学は現在のチーフデザイナー「Wolfgang Stegmann(ウルフギャング・ステッグマン)」氏という若手デザイナーに引き継がれ、「The strength of pure(純粋の強さ)」というコンセプトでSERIES9へと受け継がれたそうです。
ディーター・ラムスによる「Strength of Pure」のテーマと10の原則
良いデザインは革新的である。
良いデザインは製品を便利にする。
良いデザインは美しい。
良いデザインは製品を分かりやすくする。
良いデザインは慎み深い。
良いデザインは正直だ。
良いデザインは恒久的だ。
良いデザインは首尾一貫している。
良いデザインは環境に配慮する。
良いデザインは可能な限りデザインをしない。
ラムス氏の有り難いお言葉10ヶ条。常にデザインと向き合いながらも最先端の技術との一体化を妥協しない姿勢が、ブラウンのデザイン哲学。
革新的で便利、シンプルでわかりやすく美しい電気シェーバーを生み出してきた歴史、その頂点としてSERIES9は誕生したわけですな。
視認性の良い液晶ディスプレイ
ディスプレイには5段階で充電残量が表示されます。充電が切れそうになると赤くバッテリーマークが点滅。自動洗浄器での洗浄が必要になると「水滴のマーク」が点灯します。
9090ccは充電交流式のため、バッテリーが切れた際も充電プラグを差し込むことで給電しながらの使用も可能です。1時間でフル充電、コードレスで45分間の使用ができます。
9095ccや9040sなど一部の充電式モデルは充電しながらの動作はできません。
モデルごとの電源方式はhttps://higesori-club.com/braun/series9またはhttps://higesori-club.com/braun/series9-7を参考にしてください。
「くせヒゲ」や「寝たヒゲ」もしっかり剃り上げる4枚刃構造
シリーズ9は4枚刃シェーバーです。網刃が2枚両端にあり中央に「デュアル連動刃」と呼ばれる2種類のトリマーが搭載されています。網刃ではどうしても捕らえきれない「寝たヒゲ」や「くせヒゲ」をしっかり起こして剃り上げていきます。
極薄リフトアップ刃(青い部分)は、その名の通りとても薄く加工された金属面が特徴。寝たヒゲは肌に対してほとんど平坦な状態ですが、そのヒゲの下にまで入り込んで起こし上げる役割があります。
くせヒゲキャッチ刃は櫛状のトリマーで、様々な方向を向いたヒゲを効率よく捉えカット。「くせヒゲキャッチ刃」+「極薄リフトアップ刃」の2つのトリマーがカットしたヒゲを、根本からしっかり剃り上げる網刃が両端で待ち構えているため結果的にワンストロークで剃れるヒゲの量が多くなります。
肌へのダメージはシェーバーヘッドとの摩擦が原因であることも多く、ストローク数は少ないに越したことはありません。また、ワンストロークで多くのヒゲを剃れるということは時短にも繋がります。
ついつい「くせヒゲ」や「寝たヒゲ」を深剃りしようとゴリゴリ押し付けてしまいがちですが、2つのトリマー性能のおかげでそこまで押し付けなくともしっかりと剃ることが可能。実際に下位モデル(シリーズ3や5など)と比較してみても、くせヒゲに対するカット性能はシリーズ9が非常に優秀だと感じました。
独立した刃が上下に浮き沈みするミクロモーション
網刃やトリマーともに上下に浮き沈みする構造。肌の凹凸や曲面に対してもフィットしやすく、また押し付けた際の圧力も分散されるため肌へのダメージが軽減されます。
刃は内刃と外刃が一体になったカセット式。ワンタッチで簡単に取り外すことができるので溜まったヒゲくずも手軽に洗い流すことが出来ます。
肌に追従しやすい首振りヘッド
首振りヘッドは前後に20°まで可動。ロック機能もあるため好きな角度で固定することもできます。鼻の下や顎下など剃りにくい場所ではヘッドをロックした状態のほうが剃りやすいです。
ヘッドのロックは前面のスイッチを上に押し上げるだけです。
気になる動作音
シェービング中の駆動音は約72db程度。パワフルな往復式シェーバのため比較的音は大きめ。ただ、ブラウンでは周波数を耳に不快のないようモーター音をチューニングしているため、そこまで気になるほどではありません。
シェーバー駆動時の音を実際に録音してみましたので聴いてみてください。殆どの人にとっては許容範囲の動作音だと思います。
モミアゲや長く伸びたヒゲをカットする背面トリマー
伸び過ぎたヒゲを短くカットしたり、ヒゲやモミアゲをお手入れする用途に便利なトリマーは背面に搭載。上に引き上げるワンタッチ式なのでとても手軽です。
ボタン1つで洗浄、乾燥、潤滑化、充電
BRAUNのクリーン&リニューシステムは、シェーバーを使い終わった後にセットしボタンを押すだけで「洗浄・乾燥・潤滑化」を行なってくれる優れもの。
常に刃のコンディションを保ち清潔な衛生状態を維持してくれます。充電も行われるため、いちいち充電コードを差し込む手間も省けます。
自動洗浄器には専用カートリッジが必要になります。
ちなみにカートリッジの中身はアルコールを含んだ洗浄液。シェーバー市場でBRAUNだけが唯一、99.999%除菌のアルコール洗浄を採用しています。
洗浄カートリッジはランニングコストがかかるのでは?
1個は購入時に付属していますが、毎日使用した場合は3週間から1ヶ月程度を目安に交換が必要です。
1個あたりのコストは500円程度なので、年間で6000円程度のランニングコスト。朝忙しくシェーバーの手入れをする時間なんてない!という人や、ついヒゲくずを溜めたまま放置してしまうズボラな方には自動洗浄器はおすすめ。
ちなみにこの自動洗浄器はカートリッジを入れなくても充電ドックとして使用可能。手洗いでメンテナンスした後、特に洗浄する必要がない場合はボタンを押さなければ充電だけ行なってくれます。
ヘッド部分をこまめに手洗いできる人であれば、9030sや9040sといった自動洗浄器が付属しないモデルを購入するのも良いかと思います。ただし、後から自動洗浄器だけを買い足すことはできないため注意してください。
手軽さとコストを見比べて、自分の使用環境に合わせて選択するのがよいでしょう。
カートリッジのセット方法は簡単
カートリッジの蓋を外し、洗浄器の背面のボタンを押し、向きを合わせてセットするだけ。交換手順はあっという間です。
自動洗浄中の騒音は?
強力洗浄中の動作音は74db程で結構煩いです。
刃の汚れを落とすため内刃・外刃が駆動するので致し方無い。ただ、洗浄自体は3分で終わり乾燥モードへ移行します。この時の動作音は57db程度と非常に静かなので、最初の3分だけが煩いです。
9090ccの自動洗浄器は刃の汚れに応じて洗浄パターンを3種類から自動的に選択してくれます。一部モデル(9070cc/9050cc)は1パターンのみの洗浄プログラムです。
リチウムイオン電池搭載で自己放電によるバッテリー低下もほとんど無い
自動洗浄器にセットするたびに充電が行われるので「頻繁に充電するとバッテリー寿命が縮むのでは?」と心配される方もいるかと思います。
ですが、シリーズ9にはリチウムイオン電池(Li-Ion)が搭載されているため、継ぎ足し充電によるメモリー効果はほとんど無視できるレベルです。むしろ、充電が空のままで放置しておくほうがバッテリーの寿命が縮みます。
詳しくは以下のエントリーが参考になります。
また、リチウムイオン電池は使用していない時の自己放電が少なく重量も軽いといった特徴があります。
ただし、高温になる場所などに放置することは避けましょう。例えば車の中に放置しておくなどすると電池の劣化が進みます。
【総評】BRAUNシリーズ9 「9090cc」はどんな人にお薦めか
60年以上シェーバーを製造し続けてきたBRAUNが、5年の歳月を経て開発したシリーズ9。そのデザインもさることながら最先端の技術との一体化がなされており最上位シリーズにふさわしいプロダクトだと感じます。
シリーズ9が追求した「肌へのやさしさ」と「深剃り」という相反する課題も、デュアル連動刃によるワンストロークでのカット量を増やすことでストローク数が少なくなり、その結果として肌へダメージ量も軽減されました。深剃り性能に関しても、ヘッドが肌に追従しながらヒゲを根本から編刃がカットするため剃り残しは少ないです。
ヒゲが薄い人から濃い人まで、また肌が弱い人にも薦められる優秀なシェーバーです。特に、くせヒゲに対するカット性能が良いため「くせヒゲ・寝たヒゲ」が多い人にもおすすめ。
今回購入した9090ccはドライ剃りモデルのため、もしお風呂シェービングをしたい場合は9095ccという選択肢があります。また、もし洗浄器は不要と思われる方は9040sという型番もあります。この辺りは個人の使用環境や予算、ランニングコストと比較検討して選ぶとよいでしょう。
毎年、各メーカーの最新モデルを複数購入しているシェーバーマニア。「深剃り向き」「敏感肌向き」「携帯向き」のおすすめのシェーバー、さらには「敢えておすすめしないモデル」まで解説します。最近のレビュー記事等はこちら。シェーバー選びの際は是非ご参考ください。