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ヒゲの濃さや太さ、硬さ、生える方向は人によって異なります。特に「寝たヒゲ」が多かったり「巻きひげ」を持つ人の場合、どうしてもシェービングに苦労しがち。
朝、しっかりとシェービングした気でいても、通勤や通学途中に顔を触るとザラザラと剃り残しが気になるなんてことも多いのではないでしょうか。
夕方になると青っぽくなってくるのは髭の濃い人にとって共通の悩みです。
「T字カミソリ」と「電気シェーバー」それぞれの特徴は?
■しっかりと深剃りしたいならT字カミソリ
しっかりと深剃りしやすい反面、肌への負担も大きいとされるのがT字カミソリ。「刃を直接肌へあてる」構造のため根本から剃ることが可能です。
しっかりと深剃りするコツは、ヒゲの向きに逆らったいわゆる「逆剃り」を行うこと。片方の手で肌を伸ばし、ヒゲを皮膚から出しつつゆっくりと剃っていきましょう。
入浴時は肌が柔らかくなりヒゲも水分を含むため、深剃りしやすくなります。もしくは、肌を熱いタオルで蒸しヒゲを柔らかくしてからシェービングするのも効果的です。
▶T字カミソリの「替刃式(ホルダー式)」と「使い捨てタイプ」のおすすめを見る
■朝の忙しい時間帯には電気シェーバーがおすすめ
T字カミソリは朝のむくんだ顔だと出血もしやすく、剃る準備や手間も掛かりがち。朝に入浴する習慣のある人ならともかく、出勤・通学前に短時間でシェービングを済ませたい人には不向きです。
平日の朝、短時間で深剃りをするのであれば電気シェーバーを活用しましょう。基本的にはドライ剃りとなるため、シェービングフォームやジェルを洗い流す手間もかかりません。
シェーバーによって多少のヒゲの飛び散りがあるため洗面所の前に立つ必要はありますが、T字カミソリに比べれば圧倒的に手軽かつ時短になります。また肌への負担も少ないため、ヒリヒリと肌が赤くなりがちな人にも電気シェーバーがおすすめです。
▶電気シェーバーの「深剃り向けタイプ」と「肌に優しいタイプ」のおすすめを見る
カミソリ並に深剃りできる電気シェーバーなんてあるの?
電気シェーバーの基本的な仕組みは、外刃(肌に触れる部分)が髭をキャッチし、内刃(内部で駆動する刃)で挟み込んでカットする構造。
これは私見ですが、T字カミソリより深剃り性能が優れたシェーバーは存在しません。刃を直接当て表皮ごと剃り上げるカミソリに対し、シェーバーの場合は外刃の厚さ分深剃り性能は劣ると考えます。
「押し付けて剃ればそんなことはない!」という方もいるかもしれませんが、出血やヒリヒリの原因となるためおすすめしません。
しかし、限界まで刃を薄く・鋭く加工し、さらに先端技術を駆使することにより「T字カミソリに近い剃り味」を実現する電気シェーバーは存在します。これらは下手なT字カミソリを使うよりよほど深剃りでき、さらに肌にも圧倒的に優しく仕上がります。
ヘッドの駆動領域を広げ肌との密着性を上げたり、内刃モーターの回転速度を驚異的なスピードにし往復運動を高速にするなど、各メーカーの深剃りへの執念にはとにかく驚かされます。さらにメーカー同士の技術競争により、その性能は次々とアップデートされています。
寝たヒゲ | |
巻きヒゲ |
手軽な電気シェーバーも、上の画像のように「寝たヒゲ」や「巻きヒゲ」が多い人の場合はモデル選びに注意が必要です。もちろん、コンビニやホームセンター等で売られている格安シェーバーでも剃れるには剃れます。
ですが、あまりに低価格なシェーバーだと深剃り性能が足りずに肌がヒリヒリしたり、ヒゲが引っかかって痛い思いをすることも多いはずです。剃り残しを気にしてゴリゴリと押し付けてはさらに肌が赤くなり見栄えも良くありません。
ヒゲが濃い、くせヒゲが多い場合、その人に最適なスペックの電気シェーバーを選ぶことが大事です。安物買いの銭失いとならぬよう、聞いたこともない中華メーカー品などは避けるべきでしょう。
電気シェーバーの3大メーカー
電気シェーバー市場においては「BRAUN(ブラウン)」、「PHILIPS(フィリップス)」、「PANASONIC(パナソニック)」が合わせて9割以上のシェアを占めています。世界的にみるとPHILIPSが圧倒的シェアを占めていますが、日本ではパナソニックのラムダッシュシリーズも人気です。
各メーカーが「肌への優しさ」や「深剃り性能」などにこだわった多様なモデルを展開しています。今回は、その中でも濃いヒゲをしっかり深剃りしやすいモデル(2023年現行モデル)をメーカーごとにピックアップしました。
BRAUNの深剃り向きモデルは「シリーズ9Pro」
ドイツのブランド
BRAUNの電気シェーバーは深剃りしやすい往復式タイプ。
トップエンドモデルであるBRAUNシリーズ9Proは、“くせヒゲ”や“寝たヒゲ”に対しての深剃り性能を高める「プロブレード(幅広で薄く加工されたリフトアップ刃)」を搭載し、様々なタイプのヒゲをより多く、ワンストロークで剃りきれるような工夫がなされています。
プロブレードは、従来のシリーズと比較しても幅が35%広く、そして刃が30%薄く改良されています。これにより皮膚とヒゲの僅かな隙間から持ち上げカットできるようになり、ワンストロークでより効率的に“くせヒゲ”や“寝たヒゲ”をカットできるようになりました。
外側に配置される2枚の「ディープキャッチ網刃」は、BRAUNが特許を持つマルチパターンの網刃。こちらの網目は従来よりも最大34%大きくし、さらに899種類もの異なる形状の網目を配列。あちこちの方向に生えているヒゲも根本0.05mmまでしっかりと深剃りします。
また、BRAUN独自の音波振動テクノロジーも搭載。毎分1万回の音波振動が肌を震わせることで、皮膚内部に隠れがちなヒゲまで露出させてカットします。皮膚の表面だけでなく、まだ表面化していない皮膚内部のヒゲまでとらえることで、夕方のザラつきを抑える効果も期待できます。
おすすめはこちら!シリーズ9Pro 型番ごとの違いは?
BRAUNシリーズ9Proは販売ルートや付属品の有無等により型番が異なるため、国内ラインナップだけでも10種以上の型番が流通しており、困惑する方も多いと思います。
基本的にシェーバー本体の性能はどの型番も同じであり、シリーズ9Proは全てのモデルがドイツで開発・製造・検査が行われたプロダクトです。ただ、一部モデルの充電方式や自動洗浄器の機能、付属品やカラーリングなど細かい点が異なります。
詳しくは以下のリンクから「BRAUNシェーバー シリーズ9Proの性能比較表」ページをご参考下さい。
PHILIPSの深剃り向きモデルは「S9000シリーズ」
オランダのブランド
一般的にPHILIPSの回転式シェーバーは「肌には優しいが深剃りは劣る」というイメージを持たれがち。たしかに往復式シェーバーに比べると外刃が厚く、深剃り性能は一歩劣ります。ただし、回転式駆動による肌への優しさは非常に優秀であり他社の追従を許しません。
新型モデルであるS9000シリーズ(“SkinIQ”テクノロジー搭載モデル)は、深剃りと肌へのやさしさを追求したハイエンドモデル。
顔の輪郭に沿ってしっかりと密着する360-Dフレックスヘッドは、刃と肌の隙間を限りなく少なくすることで深剃り性能を向上させています。3つのそれぞれの刃も360度に回転し、異なる方向に生えた様々なタイプのヒゲを効率よく巻き取り、剃り残しを防ぎます。
また、ヒゲ密度感知システムが毎秒500回、ヒゲ密度をセンシングすることでヒゲの濃さに合わせて自動でパワーを調節し、最適なシェービングへ導きます。過圧防止センサー搭載のため、肌にやさしく安心して剃ることができます。
スマートフォンアプリとの連携も強化されており、シェービング動作検知センサーが読み取ったシェービング動作を解析し、アプリ上でその人に最適なシェービングテクニックを習得することが可能です。
おすすめはこちら!S9000シリーズ 型番ごとに違いは?
“SkinIQ”テクノロジー搭載のS9000シリーズは3つの型番(S9985/50・S9982/54・S9987/59)が流通していますが、シェーバーとしての基本性能はどれも同一です。それぞれの違いは付属品(充電スタンド・ヒゲスタイラー)の有無とカラーリングだけとなります。
詳しくは以下のリンクから「PHILIPS S9000シリーズの性能比較表」のページをご参考下さい。
パナソニックの深剃り向きモデルは「ラムダッシュPRO 6枚刃シリーズ」
日本のメーカー
パナソニックシェーバーの最上位モデルであるラムダッシュPRO 6枚刃シリーズは、深剃り向きの往復式モデル。ねばり強いステンレス刃と独自のリニアモーター駆動によるパワフルな深剃り性能は他社より頭一つ抜けており、深剃りを追求したい人に最適なハイエンドシェーバーです。
ラムダッシュ5枚刃シリーズなどの従来モデルに比べ、長いヒゲやくせヒゲへのアプローチも強化されており、「マスクの着用でヒゲを伸ばしがち」、「休日はヒゲを剃らないことがある」といった髭剃り習慣にも対応しています。
外刃・内刃には彦根工場で製造された安来鋼(ヤスキハガネ)を採用。髭への憎しみでもあるのかと思うほど切れ味抜群で、固い髭もスパスパっと切断していきます。さらに、肌上を回転するローラーをヘッドに搭載し摩擦ダメージも軽減しています
また、前後・左右・上下、さらに前後のスライド・ツイストの5次元方向に動くヘッドを搭載。アゴ下や頬の凹凸へ均一に圧力がかかりやすいだけでなく、隙間なく肌に密着することで深剃り性能を高めています。
おすすめはこちら!ラムダッシュPRO6枚刃シリーズ 型番ごとの違いは?
ラムダッシュPRO 6枚刃シリーズはどれも基本的なシェービング性能は同じ。ただし、型番ごとにカラーリングや充電表示方式、自動洗浄器の付属有無などの違いがあります。また、お風呂剃りに対応したモデルも存在します。
詳しくは以下のリンクから「Panasonicシェーバー ラムダッシュPRO 6枚刃シリーズの性能比較表」のページをご参考下さい。
Panasonic ラムダッシュPRO 6枚刃シリーズの性能比較表はこちら
【まとめ】髭が濃い人向けのシェーバー選びは基本的に上位モデルから
今回、シェーバー市場のシェア9割を占めるブラウン、フィリップス、パナソニックから、それぞれ「深剃り」に適したシェーバーをご紹介しました。それぞれのモデルに特徴がありますが、どのモデルも各メーカーの歴史と技術が詰め込まれた品質の高いモデルです。
全てのモデルを紹介できたわけではないので、もし他のモデルも参考にしたいという人は▶メーカー別のシェーバー性能比較表から気になるシェーバーをご覧になってみて下さい。
基本的に、髭が濃い・深剃りしたいというニーズに対して各メーカーは上位モデル(高価格帯)に多くの付加機能を持たせ応えています。髭が濃く毎日シェービングを行うという人は予算の許す限り上位モデルから検討したほうが良いでしょう。
逆に、ひげが薄い・それほど肌は弱くないという人は廉価帯のエントリーモデルでも十分なパフォーマンスを発揮します。
髭の濃さにスペックが合っていないシェーバーを選ぶと、どうしてもヒゲが引っかかったり肌がヒリついて不快な思いをすることになります。毎日快適なシェービングを行うためにも、最適なモデルを選びましょう。
電気シェーバーの選び方がいまいち掴めなかったという人は、▶電気シェーバーの「選び方」のページにて解説していますので、よろしければ併せて御覧ください。
毎年、各メーカーの最新モデルを複数購入しているシェーバーマニア。「深剃り向き」「敏感肌向き」「携帯向き」のおすすめのシェーバー、さらには「敢えておすすめしないモデル」まで解説します。最近のレビュー記事等はこちら。シェーバー選びの際は是非ご参考ください。