ヒゲの飛び散りを防ぐ吸引システム搭載!PHILIPSバキュームヒゲトリマーBT7220/15の使用レビュー
2016/09/15
▼目次
- 1 顎ヒゲや口ヒゲ、モミアゲなどの処理に最適なヒゲトリマー
- 1.1 フィリップスが日本市場へ初投入した「ヒゲ吸引システム」搭載モデル
- 1.2 ヒゲ吸引システムの仕組み
- 1.3 前面部の排気口
- 1.4 吸い込んだヒゲを受け止めるフィルター
- 1.5 ヒゲをガイドしやすいコーム形状
- 1.6 強度が高く、切れ味も優れたステンレス刃
- 1.7 小回りの効く細部用トリマー
- 1.8 コームや刃は水洗いOK
- 1.9 20段階の長さ調節で好みのヒゲスタイルに
- 1.10 電源方式と充電・使用可能時間
- 1.11 バキュームヒゲトリマーBT7220/15の付属品
- 1.12 防水モデル「BT5200/15」と吸引システムモデル「BT7220/15」はどちらがおすすめか
- 1.13 防水性能・メンテナンス性を重視するなら「BT5200/15」
- 1.14 洗面所などで手軽にトリミングしたいなら「BT7220/15」
今回、PHILIPSの「バキュームヒゲトリマーBT7220/15(2016年9月発売)」の製品モニターテスト*に選出して頂き、製品を提供していただきました。
欧州ではすでに発売済みでレビュー評価も高かったため気になっていたヒゲ吸引ヒゲトリマー、このような早い段階で手に取ることが出来たのは運が良かったです。ちなみに日本市場に吸引機能が搭載されたヒゲトリマーをPHILIPSが投入するのはこれが初となります。(吸引機能自体は旧モデルであるQT4050にも搭載されていましたが日本では未発売でした)
今回はバキュームヒゲトリマーBT7220/15の性能を紹介するとともに、実際に使用したレポートもお届けしたいと思います。
■*PHILIPSモニタープログラムは不定期で発売前の製品モニターを募集しているため、興味のある方はURL(https://www.producttesterprogram.philips.com/jp)を参照なさってください。一定の期間使用後はフィードバックを送り、モニター終了後は製品を返却する場合と譲渡される場合があります。
顎ヒゲや口ヒゲ、モミアゲなどの処理に最適なヒゲトリマー
昔はヒゲを伸ばすなんてビジネスマナーに反する!という風潮も強く、一部の職業(クリエイティブ系、IT系や芸能、大学教授etc...)の方以外はヒゲを蓄えることも許されませんでした。ですが、最近は昔に比べ社会人の髭に対して肯定的な会社も増えているようで、自己表現、自分の個性としてヒゲを伸ばす人を多く見かけます。
また、ヒゲが禁止されているサラリーマンの方でも休日や連休は無精髭を生やしてヒゲスタイルを楽しむなんて人もいるのではないでしょうか。
ヒゲは生やす場所、長さによって顔の印象も変わることから「お洒落」として様々なヒゲスタイルを楽しむ人が増えています。ヒゲメンやモテヒゲなんて言葉も出てきたように、清潔感のある整えられたヒゲは伸ばし放題のヒゲよりグッと相手に好印象を与えることができます。
ですが、ハサミやカミソリでボリュームを調整したり形を整えるのは時間や手間が掛かってしまいます。そこで、コードレスで取り回しやすく、カミソリやハサミより安全・手軽に素早く整えることができるヒゲトリマーが近年とても人気となっています。
フィリップスが日本市場へ初投入した「ヒゲ吸引システム」搭載モデル
使い勝手の良いヒゲトリマーですが、唯一のデメリットとも言えるのがカットした際に起きるヒゲの飛び散り。
実際にヒゲトリマーを使用した経験がある方は洗面所に飛び散ったヒゲくずの片付けが面倒だと感じたことがあるのではないでしょうか。洗面所の床にヒゲくずが飛び散った日には掃除機をかけるハメになるなんてことも。
成人男性のヒゲは平均して2万本~3万本、さらにヒゲの硬さは同じ太さの銅線並みとされています。そのため、どうしても硬いヒゲをカットした際の跳ね返りが起きてしまい、洗面所をヒゲくずだらけにしてしまうのです。
■バキュームヒゲトリマーBT7220/15の仕組み
PHILIPSのバキュームヒゲトリマーBT7220/15の仕組みを簡単に写真図にしてみました。ヒゲトリマーとしての基本的なカットの仕組みは従来と同じです。
では、従来のヒゲトリマーとの大きな違いは何かというと、本体にカットしたヒゲを吸引する機能が搭載されていること。カットしたヒゲを最大90%*吸い込むことで、周囲への撒き散らしを最小限に防ぐことができるとしています。*PHILIPS社の実験環境下でのテストによる数値
ヒゲ吸引システムの仕組み
ヒゲ吸引システムはDysonハンディクリナーの「クリアビン」のような透明なプラスチック部分に搭載されています。下部のファンが回転することで空気を吸い込み、上部のフィルターが空気だけを通しヒゲクズを受け止める仕組みです。
YouTubeの動画をみると空気の回転による集じん方式を採用しているように思えます。掃除機のような吸引力を想像しがちですが、家の掃除ができるほどの吸引力はもちろんありません。あくまでも吸引による空気の流れは、カットしたヒゲを内部へ取り込むためのアシスト的役割です。
吸い込み部分に手を当てても吸ってるか吸っていないか分からない程度。ヒゲトリマーに搭載できるファンの大きさという制限があるため、これは致し方無いと思います。
PHILIPSではヒゲを最大90%*吸い込むと謳っていますが、実際に筆者(剛毛ヒゲ)が5日ほど生やした後にトリミングしたところ、実際に吸引部へ入ったヒゲは7~8割ほどでした。残りの2~3割は洗面所のシンクへと落ちていました。試しに腕の産毛を剃ってみたところ、ほとんどが中へ吸引されていたのでヒゲが薄い・細い方であれば、もう少し良い結果になるかもしれません。
私の場合ヒゲも濃く多少の飛び散りはありましたが、その殆どがシンク内に収まりました。吸引機能の無いヒゲトリマーを使用した後と比較すれば、ヒゲくずをサッと流すだけで済むため後片付けが圧倒的に楽です。
前面部の排気口
吸気された空気はクリアパネルに加工された穴から排気されます。
この部分を手で塞いでしまうと吸引力が弱くなってしまうため注意する必要があります。また、防水性はないため水洗いもできません。
吸い込んだヒゲを受け止めるフィルター
青いフィルター部分にヒゲくずが溜まってくると目詰りして吸引力が無くなります。残念ながらこの部分は水洗いができないため、付属するブラシなどで定期的に掃除してやる必要があります。
ヒゲくずは放置しておくとニオイの原因にもなるため、使用後はメンテナンスが必要です。フィルターの取り換えや水洗いができれば衛生的にも良いため個人的には改良してほしい点と感じました。
取りづらい場合はお風呂場などでエアダスターを吹いてやると一発でフィルター部分のヒゲくずが飛ばせて楽です。業務用のエアダスターなどあまり空気圧の強いものはフィルターを破く恐れがあるため、家庭用のものをある程度離しながら吹き付けると良いでしょう。
バキュームヒゲトリマー「BT7220/15」のお手入れ方法個人的に吸引システムに関しては少し辛口な評価になってしまいましたが、吸引機能の無いヒゲトリマーに比べれば後片付けの手間が軽く済み、メリットを十分に感じることが出来ました。吸引システムを搭載したことによりトレードオフとしてBT5000番代(現行モデル:BT5204/15)のような防水機能がありません。ですので、普段お風呂場ではなく洗面所でトリミングする習慣のある人にとって恩恵が大きいのではないかと思います。
余談ですが実はPHILIPSも掃除機を販売しています(参考:http://www.philips.com.sg/c-m-ho/vacuum-cleaners)。近年サイクロン掃除機などの売れ行きが絶好調な日本の家電業界、もしかしたらPHILIPSのクリーナーもそのうちお目にかかれるかもしれませんね。
ヒゲをガイドしやすいコーム形状
クシ状のコームは肌当たりもよく、寝がちなヒゲや様々な方向に生えたヒゲもしっかりガイドし取り込んでくれます。カットする際はヒゲは濡らさず、また生えている方向とは逆向きに動かしたほうが効率よくカットできます。
強度が高く、切れ味も優れたステンレス刃
搭載されているのはステンレス性のダブル鋭角刃。トリミング中に2枚の刃同士が研磨しあうことでシャープな切れ味が維持できるようになっています。
小回りの効く細部用トリマー
また、別途に細部用トリマー(黒いアタッチメント)も付属。電気シェーバーでいうところのキワゾリ刃であり、ヒゲの輪郭を作ったり伸び過ぎたモミアゲなどをカットするのに役立ちます。
細部用トリマーにはさらに付属の小さなコーム2種を取り付け可能。それぞれ3mmと5mmに対応しており、鼻下など小回りの効きにくい場所で活躍。
コームや刃は水洗いOK
本体は水洗いができませんが、こうしたトリマー刃やコームといったアタッチメント類は水洗いすることができます。
20段階の長さ調節で好みのヒゲスタイルに
シェーバー本体の長さ調節リングを回すことで、0.5~10mmに調節可能。0.5mm刻みで細かく設定できるため、ヒゲの部位に合わせて好みの長さに整えることができます。設定した長さはデジタルで表示。
調節リングは前面・背面で挟み込むように持つことが出来き、トリミング中もスムーズに操作可能です。
電源方式と充電・使用可能時間
バキュームヒゲトリマーBT7220/15は「充電交流式」の電源方式。コードレスでは1時間充電で約80分の使用が可能。バッテリーが切れた際はACアダプターから給電しながら使用することもできます。
また、搭載バッテリーには高品質なリチウムイオン電池(Li-Ion)を搭載。自己放電(使用していないときに電池が減ること)やメモリー効果が、ほとんど無視できるレベルです。
充電アダプターの型番はHQ8505であり、最近の多くのPHILIPSシェーバーと互換性があるかと思います。個人的に所有しているPHILIPSの9000シリーズや7000シリーズ、ヒゲトリマーBT5200/15などのアダプターも使用可能でした。念のため、同型番であることを確認の上ご使用ください。
バキュームヒゲトリマーBT7220/15の付属品
「BT7220/15」の付属品等は以下の通り。オイル差しなども不要なため、何か同時に購入すべきものはありません。
・本体
・ポーチ
・コーム
・細部用コーム(3mm)
・細部用コーム(5mm)
・細部用トリマー
・充電アダプター
・クリーニングブラシ
・クリーニングスティック
・取扱説明書(裏面:保証書)
フィリップス製品は保証期間が2年と長め。正常な使用状態で故障した際は無償で修理を行ってくれます。万が一に備えて、購入明細や保証書は無くさないようにしましょう
防水モデル「BT5200/15」と吸引システムモデル「BT7220/15」はどちらがおすすめか
PHILIPSヒゲトリマーの現行モデルは3モデル展開。今回紹介した7000番代のBT7220/15が最上位モデルであり、下位ラインナップとしてBT5204/15、 QT4012/15が存在します。3モデルの詳細や違いについては以下のページを参照なさって下さい。
PHILIPS ヒゲトリマーの性能比較表(2016-2017-2018年モデル)
3モデル中、BT5204/15のみ防水構造IPX7基準*をクリアしているため本体丸洗いが可能です。*:社団法人日本船舶品質管理協会 製品安全評価センターにてIPX7基準(水深1メートルに30分間水に浸けても有害な影響を生じる量の水の浸入がない)検査をクリア。
一方でヒゲ吸引システムを搭載したBT7220/15は本体水洗いができません。
カット性能においてはどちらもステンレス刃を採用していることから、そこまでの差はありませんでした。ただし、細部までこだわりたいという人はアタッチメントの豊富なBT7220/15のほうが便利かと思います。本体自体の重さはBT5204/15が180gに対し、BT7220/15が172gと若干軽いです。
防水性能・メンテナンス性を重視するなら「BT5200/15」
やはり本体ごと丸々洗えるBT5200/15のほうがメンテナンス性においては手軽です。シャワーのついでにトリミングし、ヒゲくずも洗い流すことが出来ます。
バキューム搭載のBT7220/15も刃やコームは洗えますが、肝心のヒゲくずが溜まる部分はブラシがけしかできません。ヒゲくずは皮脂などとともに雑菌も繁殖しやすいため、手軽に水洗いができるモデルのほうがお手入れはしやすいです。
カット性能がアップしたPHILIPSのヒゲトリマー「BT5200/15」の使用感を簡単にレビュー
ただし、吸引システムが搭載されていないため洗面所での使用時は盛大にヒゲくずが飛び散ってしまいます。ですので、防水性を活かしてお風呂場などでトリミングするのがおすすめです。
洗面所などで手軽にトリミングしたいなら「BT7220/15」
ヒゲをトリミングするのにわざわざ服を脱いだり、お風呂場まで行くのは面倒だという人も多いはず。洗面所でのトリミングを想定するのであれば、バキューム機能のあるBT7220/15のほうが適しているでしょう。
全てのヒゲくずを完全に吸い込むことはできませんが、それでもカット後の飛び散りは格段に抑えられるため水でサッと流すだけで済みます。洗面所がヒゲくずだらけになって家族に文句を言われることも無くなるはず。
ただし、メンテナンス性においては少々手間のかかる点もあることから、こまめに溜まったヒゲくずを捨てたりできる人でないと使用はおすすめできません。本体のメンテナンスと洗面所の片付けがトレードオフとなっていることから、特性を理解した上での購入をおすすめします。
毎年、各メーカーの最新モデルを複数購入しているシェーバーマニア。「深剃り向き」「敏感肌向き」「携帯向き」のおすすめのシェーバー、さらには「敢えておすすめしないモデル」まで解説します。最近のレビュー記事等はこちら。シェーバー選びの際は是非ご参考ください。